宮川内科・胃腸科医院
宮川内科・胃腸科医院


Dr宮川の注目コーナー

  尿路結石について
腎臓、尿管、膀胱、尿道などの尿路に結石ができる病気です。尿にはカルシウムやショウ酸が含まれており、暑さによる脱水などで尿が濃縮され結晶化することで、結石ができてしまうようです。
〇腎結石・・・まず痛みが出ませんが、血尿が出ることがあります。痛みが無い場合でも石が10mm以上か、または小結石が多数あった場合には腎臓の機能が低下する恐れがあります。
〇尿管結石・・・腎結石が尿管に降りてくると強烈な痛みが出現します。7mmまでは自然排石が期待できますが、それ以上の石はまず自然に出ませんので、破砕の治療をおすすめします。7o以下の場合は排石促進薬で排石を促すこともできます。
〇膀胱結石・・・主に前立腺肥大や寝たきりの患者様に多い結石です。膀胱の石が尿道に嵌頓すると排尿ができなくなるため、手術を行うこともあります。
結石はもともと腎臓内に潜んでいることが多く、それが何らかのタイミングで尿管内に降りてくることにより、尿の通過障害が起こり、腎臓に尿が停滞し腰の痛みや腹部の痛みが生じます。痛みの部位は結石の位置によって腰から下腹部で異なり、移動することもあります。

原因・・・水分摂取量が少ないこと。遺伝的要因。食生活の欧米化など様々なものがあげられます。タンパク質、特に動物性タンパク質の摂取が多い、また炭水化物の摂取が多い、カルシウム摂取量が予想以上に少ない。野菜の摂取量が少ない。夕食から就寝までの時間が短い。肥満傾向運動不足など

症状・・・主な症状は背中から腰にかけての激痛で血尿を伴うこともあります。また排尿時の下腹部の違和感、頻尿、排尿時痛、感染を伴う場合は発熱することもあります。
検査・・・超音波検査や腹部レントゲン検査を行い、結石部位が分かりづらい場合はCT検査を行うこともあります。

治療・・・結石が小さければ経過観察、症状があれば内服薬で自然排石を目指します。結石が大きい場合は外科的治療が必要になる場合があります。

予防・・・尿路結石は強い痛みを伴う病気ですが、生活習慣を見直すことで予防可能です。

食物に含まれるシュウ酸の摂取を減らすことが重要となります。工夫としては茹でることやカルシウムが含まれる食物と一緒に摂取することでシュウ酸の吸収を減らすことが出来ます。
シュウ酸を多く含む食物として、葉菜類の野菜(ほうれん草等)タケノコ、紅茶、コーヒー、お茶(主に玉露、抹茶)、バナナ、チョコレート、ココア、ピーナッツ、アーモンド等があります。
・尿排泄物の観点から、水分摂取多めに一日1500ml以上(これが基本尿を薄くすることが目的)特に夕食後お茶、水などカロリーがないもの。ビールは体を酸性にし尿管結石を発生させやすくしたり、血中及び尿中の尿酸濃度を高め、尿酸結石を発生させやすくしたり、飲酒後の利尿状態後の脱水のため、結石の発生させやすくすることが多いようです。
もし尿路結石の疑いがある場合は、自己判断せずご相談ください。


(2025年9月13日)


  なぜ大腸ポリープは取るのに、胃ポリープは取らないの?
胃内視鏡や大腸内視鏡の検査を受けた方の中には、なぜ大腸ポリープは取るのに、胃ポリープは取らないことが多いのか、疑問に思ったことはないでしょうか?
ポリープとは、胃や大腸の消化管の粘膜にできるキノコ状のふくらみのことを言います。ポリープと言っても数多くの種類があるため見た目や生検により診断をします。
多くは良性のものが多いのですが、中にはがんになる可能性のものもあります。
特に大腸ポリープは、がんになる可能性が高いので取ることが多いです。
大腸ポリープの多くは、腺腫と呼ばれる良性腫瘍ですが、時間がたつにつれがんに進行する可能性があります。大腸ポリープは内視鏡で切除することができ、早めにがんの芽を減らすことができます。
胃にできるポリープは種類が多く、大腸ポリープと異なりがんになるリスクがほとんどないものです。
胃ポリープの種類には、過形成性ポリープ・胃底腺ポリープ・腺腫・炎症性ポリープがあります。
過形成性ポリープとは、よく見られるタイプで慢性的な胃炎によってできることが多く大半は良性のものが多いですが、ポリープが大きくなったり、ごく稀にがんが合併することがあるため切除しなくても定期的な検査が必要です。
胃底腺ポリープは、ピロリ菌の感染がない炎症の少ない胃に多く、年齢に関係なくできます。小さいものはがんの可能性がないと考えていいと思いますが、大きいもので表面の凹凸があるなどは稀にがんになることがあるので注意が必要です。
腺腫は、胃にもできることがあります。大腸の腺腫に比べると頻度が少ないですが、
胃の腺腫も同様にがんになることがあるため大きさによっては切除もすることがあります。胃のポリープは大腸と違い、その場では切除はせず、入院治療になることがあります。
胃のポリープの多くは、医師の経験豊富な目で判断が可能で、場合によっては生検し診断を行います。
大腸ポリープは、内視鏡検査で医師の目とAI内視鏡にて診断し切除するものとそのまま切除せず経過観察するものなどがあります。


(2025年10月16日)

  МCI(Mild Cognitive Impairment)軽度認知障害
МCIとは
・MCIは認知機能である記憶、決定、理由付け、実行のうち、一部に問題が生じるものの、症状の程度が軽く、認知症の前段階にあたる状態で、記憶力や注意力が低下しているが日常生活に大きな支障はありません。
・認知症へ進行する可能性があるが、生活改善、予防や治療が発症の遅延や回復につながる場ありもあります。
主な症状
 ・人の名前や約束を思い出しづらい。
 ・同じ話を繰り返す。
 ・計算や料理などに時間がかかるようになった。
 ・気力、興味が低下する。
原因とリスク要因
 ・加齢、生活習慣病(糖尿病、高血圧など)。
 ・睡眠不足やストレス。
 ・運動不足、社会的孤立。
予防改善の為の生活習慣
 ・ウォーキングなどの有酸素運動。
 ・魚や野菜中心の食事。
 ・人と話す。趣味を続ける。
 ・脳トレや読書などで刺激を保つ。
 ・十分な睡眠。
家族ができるサポート
 ・責めず、見守る姿勢を大切に。
 ・小さな成功体験を一緒に喜ぶ。
 ・病院、地域の支援センターへの相談を勧める。
 
進行遅らせる新しい治療法
 ・抗アミロイドβ抗体薬による新薬治療
MCI、認知症の原因として最も多いと考えられているのが、全体の7割を占めるアルツハイマー型認知症です。アルツハイマー病は脳に「アミロイドβ」という異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞に影響を及ぼすことで発症進行すると考えられています。抗アミロイドβ抗体薬は、原因物質とされる脳内のアミロイドβを除去することで病気の進行を遅らせる治療薬です。日本では「レカネマブ(レケンビ)」「ドナネマブ(ケサンラ)」が承認されており、MCIや軽度のアルツハイマー病の方が対象で、早期の段階で治療を始めることで進行を抑えられる可能性があることが分かっています。
 MCIは認知症の予備軍で、放置すると認知症に進行するリスクが高まります。適切な対策と早期の治療を行い、認知症を遅らせるため日々の生活の中で兆候に注意し、まだ大丈夫だと放置せず、早めに受診することが重要です。


(2025年11月29日)

  冬期休診日のお知らせ
誠に勝手ながら、以下の日を休診とさせていただきます。

2025年12月30日(火)午後  〜  2025年1月4日(日)

大変ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願い致します。



(2025年11月4日)


  宮川明祐医師の研究論文が世界的な医学雑誌「Gut」に掲載されました。

総合病院国保旭中央病院 消化器内科部長 宮川明祐医師の「大腸内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後潰瘍の縫縮に関する多施設共同ランダム化比較試験」に関する論文が、消化器分野の国際的トップジャーナルである「Gut」【2025年Impact Factor : 25.8】に掲載されました。

論文名 : Prophylactic clip closure after endoscopic submucosal dissection of large flat and sessile colorectal polyps: a multicentre randomised controlled trial (EPOC trial)

■宮川医師のコメント 

20-50 mm の表面型/無茎型大腸腫瘍 300 例を対象としたランダム化比較試験において、ESD 後に潰瘍底をクリップで予防的に閉鎖することで、全後出血率(6.7% vs. 20.1%)および重篤な後出血率(1.3% vs. 8.7%)がいずれも有意に低下しました。本研究により、予防的なクリップ閉鎖が大腸 ESD 後の安全性向上に寄与することが科学的に示されました。

この成果を踏まえ、当院では今後も安全性を一層高めた大腸ESDを提供してまいります。


(2025年7月8日)
ジャーナルホームページへのリンク

123456789101112131415161718

Copyright(C) 2025 宮川内科・胃腸科医院. All rights reserved.
本サイトのすべての文章や画像などの著作は「宮川内科・胃腸科医院」に帰属します。