宮川内科・胃腸科医院
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宮川内科・胃腸科医院
〒305-0051
茨城県つくば市
二の宮2丁目2−26
TEL 029-855-8777
Dr宮川の注目コーナー
蜂にさされたら
一般的に蜂に刺される危険な時期は、7月〜10月であると言われています。これからの季節は当分の間は注意が必要です。アシナガバチは、7〜8月、スズメバチは、7〜10月、ミツバチは,、一年中危険があります。
人を刺す蜂の種類は、大きく分けて3種類になりアシナガバチ、スズメバチ、ミツバチになりますが、その中でもまた種類が分けられます。アシナガバチには、セグロアシナガバチ、キアシナガバチ、フタモンアシナガバチ、キボシアシナガバチによるもので、スズメバチは、オオスズメバチ、キイロスズメバチ、クロスズメバチによるものミツバチは、二ホンミツバチ、セイヨウミツバチの種類になります。
刺された時の症状は、刺された患部は、赤く腫れあがり、激しい痛み、かゆみを伴うことがあります。初めて刺された場合は、1日〜数日以内には症状が落ち着きますが、何度も刺された場合は、人によっては皮膚の症状だけではなくハチの毒に含まれるたんぱく質によるアレルギー反応「アナフィラキシー」が起きることがあり、注意が必要です。アナフィラキシーの症状は刺されてから数分以内に出現します。皮膚・粘膜症状は、唇や口腔内の粘膜のはれ、蕁麻疹、呼吸器症状は、息苦しさ、呼吸困難、喘鳴、激しいくしゃみや鼻水、循環器症状には、動悸、めまい、意識障害、血圧低下な
ど。
対処法は、@冷静になりその場から静かに離れる。慌てて手で振り払ったり、走り回ったりする行為はハチをさらに刺激するので危険です。A刺された部位は水でよく洗い流し、針が残っている時はピンセットで取り除く。B毒液や毒針を吸う専用の器具があれば、皮膚内の毒をある程度吸い出すことができます。アウトドア店などで市販されているので、夏の野外活動をする際には備えておくといいでしょう。
C口で毒を吸い出そうとする人がいますが、口内に傷があった場合、傷からハチの毒が侵入する危険があるのでやめましょう。D患部にはれや痛みなどの炎症がある場合ステロイド外用剤を塗って炎症を抑る。E患部を冷水や、布で包んだ保冷剤を使い冷やす。
対策には、@巣に近づかないようにする。野外活動をする時には注意して行動する。
A黒い色を目標に攻撃してくる習性があるので野山に出かける時には、黒色の衣服、バック類をさける。また、香水や整髪料などの強い臭いもハチを刺激するので避ける。B大きな声や急な動きに反応して攻撃するのでハチを見つけたら大声で叫んだり、走り回らず姿勢を低くしゆっくりとその場を離れる。Cハチによるアナフィラキシーを起こしたことのある人は、自己注射タイプの緊急治療薬を携帯し、万が一に備える
必要があります。専門医に相談して下さい。
(2024年7月22日)
食中毒について@
食中毒とは、細菌やウイルスなど、何らかの有害な物質が入った食品を食べることによって、胃腸炎などの症状が出る病気です。直近のつくば保健所管内での情報では、7月に入り保育施設等において、腸管出血性大腸菌感染症の報告が12件あったそうです。これから特に夏の時期は、食中毒に注意が必要です。
《 原因 》
食中毒の原因となるものは多くあります。
1.細菌 … カンピロバクター、ウェルシュ菌、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌O−157等)、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、赤痢菌 など
2.ウイルス … ノロウイルス、A型肝炎ウイルス など
3.寄生虫 … アニサキス
4.自然毒 … キノコや山菜、フグ
5.化学物質 … 農薬、重金属、食品添加物 など
これらの原因となるものが含まれる食材を口にし、体内に有毒な微生物や物質を取り込んでしまうことによって発症します。
潜伏期間・症状
食中毒の原因によって、食べてから発症するまでの時間や症状は様々ですが、一般的には、原因物質を体内に取り入れて数時間〜数日間の潜伏期間を経て、発熱や腹痛・下痢・吐き気・嘔吐などの消化器症状が現れることが多く、中には重症化し脱水症状になったり、血便がみられるようになることも少なくありません。
食中毒による血便は、腸粘膜に強い炎症損傷が生じることによって引き起こされ、カンピロバクターの他にも腸管出血性大腸菌、サルモネラ、細菌性赤痢などによって生じることもあります。特に腸管出血性大腸菌は、進行すると急激な腎機能障害を引き起こす「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を発症し、命にかかわることもあるため早めに病院を受診することが大事です。
ノロウイルスによる食中毒は冬に多く、牡蠣などの二枚貝に潜み、発熱や嘔吐・軽い下痢症状がみられます。感染力が強いため集団感染を起こしやすい原因物質です。
その他、寄生虫による食中毒は、激しい上腹部痛とともにアレルギー反応として蕁麻疹が現れたり、自然毒では複視、眼瞼下垂、四肢麻痺、呼吸筋麻痺などの神経障害を引き起こしたりすることがあります。
検査・診断
食中毒が疑われた場合、問診や触診・視診の他に以下のような検査をすることがあります。
*尿・血液検査 … 体内の炎症の強さや脱水・肝機能障害や腎機能障害の有無を調べます。
*便培養検査 … 便を採取して、便の中に潜んでいるウイルスや細菌を特定する検査で、確定診断や治療方針を決めるうえでも重要な検査です。
ノロウイルスなどは採取した便で簡易的に感染の有無を判定することができる簡易キットも多く用いられています。
(2024年7月22日)
食中毒についてA
治療
基本的には、整腸剤や解熱剤などを使用しながら、症状が治まるのを待つ対症療法が行われます。細菌類が原因の場合は、それぞれにあった抗生物質を併用するのが一般的です。頻回な下痢や嘔吐による脱水症状がみられた場合は、点滴治療が行われます。軽度の場合は安静にして水分をこまめにとりましょう。OS−1などの経口補水液を利用するものよいでしょう。
その他、アニサキスでは胃内視鏡にてアニサキスを摘出し、自然毒では血液中の毒素を取り除くための血液浄化療法などの特殊な治療が必要にあることもあります。
予防
食中毒の予防3原則は、菌を『つけない』『増やさない』『やっつける』です。
1.つけない(清潔を保持するため洗う)
*手洗いの徹底
*包丁やまな板など、使用した器具等は使用するごとに洗剤で洗い、できるだけ殺菌する。
*下痢や吐き気、発熱がある時は、調理作業を控える
2.増やさない(低温で保存する)
*調理は迅速に行う
*肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れる。
細菌の多くは10度以下で増えにくくなります。
3.やっつける(加熱処理)
*しっかり加熱する。ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅します。特に肉料理は中心部を75度以上で1分以上加熱することが目安です。
(2024年7月22日)
ペットボトル症候群、上手な水分補給について
暑い夏の日が続くなか皆さんはどの様に水分補給をしていますか?暑い日には、冷たい飲み物をよく飲むのではないでしょうか。その時、皆さんはどのような水分を摂りますか?ここ数年注目されるペットボトル症候群と言う言葉を知っていますか?
ペットボトル症候群とは、甘い飲み物を大量に飲むことにより起こる、急激な血糖値の上昇により引き起こされる急性の糖尿病合併症です。特に、10代から30代の若年層に多くみられ、肥満傾向の人が特にリスクが高いと言われています。
原因には、非常に多くのブドウ糖や砂糖が含まれている、炭酸飲料やジュース、スポーツドリンク、甘いコーヒーなどの飲み物を多量に摂取し体内に吸収されると血糖値が急上昇し高血糖状態をきたします。
予防法には、糖分を多く含む飲み物を避け、水やお茶などの糖分が含まれない物を選び摂取する。天然水の中に果物の味が付いた物には、糖分がしっかり含まれているので注意が必要。
夏の暑さのなか正しい水分補給の摂取方法は、適切な水分補給が大切です。人間の体は、約60%が水分で出来ています。体の中で作られる水分と食事から摂取する水分が1日あたり約1.3リットル、呼吸や汗、排泄によって1日に失われる水分には約2.5リットルとされ日常生活を送っているだけでも、1.2リットルもの水分が不足することに。
水分補給のポイント@喉が乾く前に飲む。Aコーヒーやアルコールを控える。Bスポーツドリンクの選び方などですが、スポーツドリンクは2種類に分けられます。アイソトニック系とハイポトニック系になります。アイソトニック系には、糖分が多く含まれているので日常的な水分補給には適してはいません。ハイポトニック系には、糖分が少なく、塩分が多く含まれている。どちらも速やかに水分を吸収するため使用されるもので、過剰に摂りすぎないように注意が必要です。日常生活での水分補給の工夫には、食事からの水分補給、1日3食、規則正しく食事を摂ることが必要です。朝食を抜くと必要な栄養素や水分が不足し、体調が崩しやすくなります。寝ている間に汗をかき脱水状態になっているので朝食をしっかり摂ることが大切です。
暑さも対策が必要です。帽子や冷却グッズ、ネッククーラーなどを使用することも効果があります。これにより、体温を下げて熱中症を予防することができます。
まだまだ暑い日が続きますが、こまめな水分補給をして過ごしましょう。
(2024年8月29日)
BLS(Basic Life Support) 一次救命処置についてご存知ですか
9月は救急月間です、それに因んで今回は救急について勉強しましょう。
BLSとは、心肺停止・呼吸停止になった人に対する医療従事者でなくても行える一次救命処置のことです。人の身体は、心停止から3〜4分程度何もせず放置しただけで脳に深刻なダメージを受けてしまいます。その場にいた人がAEDを使ったり、または適切な胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行うことが高い救命率につながります。他人事ではありません、心停止のほとんどは病院外でおきています。恐れず慌てず行動してください。
1、周囲の安全を確認
車の往来や室内での煙が立ち込めていないかなど救助者の安全を確保する。
2、反応(意識)を確認
肩をたたきながら大声で呼びかける。
3、緊急通報とAEDを要請
大声で叫んで周囲の人に助けを求める。119番通報、AEDの手配を頼む。
4、呼吸を確認
普通の呼吸を確認できたら回復体位(横向き)にして救急車を待ちます。
呼吸をしていない、もしくは正常な呼吸でない場合、息が不規則、判断に迷う場合は心停止と判断し心肺蘇生法を開始します。
5、心肺蘇生法を開始
胸骨圧迫を開始。エアロゾル(ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気)の飛散を防ぐためハンカチなどを傷病者の鼻と口にかぶせる。
1.強く
胸が約5p沈むまで強く圧迫するが6pを超えないようにする。
2.早く
1分間に100〜120回のテンポで圧迫する。
3.絶え間なく
特別な時を除き胸骨圧迫は中断しない。
4.圧迫解除
圧迫と圧迫の間(圧迫を緩めるとき)はしっかり力を抜いて胸の形を元に戻す。
5.垂直に
ひじをまっすぐにして垂直に圧迫する。
6.AEDが到着
速やかにAEDを装着する。電源ボタンをいれ音声ボタンに従う。
救急隊に引き継ぐまで、または倒れた人の呼吸や意識が戻るまで胸骨圧迫を続ける。
コロナ感染症の流行などを踏まえたうえで救急蘇生法で反応の確認など傷病者の顔と救助者の顔があまり近すぎないようにする事と救急隊への引き継いだあとは速やかに石鹸と流水で手と顔を十分に洗ってください。
AEDの使い方や救命講習などつくば市でも開催されています。一度参加してみるのもよいでしょう。
(2024年9月26日)
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