宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  不眠症について−その2
睡眠障害12の対処法

@睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分です
◇睡眠の長い人、短い人、季節でも睡眠時間は変化しますので時間にこだわらない
◇高齢になると必要な睡眠時間は短くなります
A刺激物を避け、寝る前には自分なりのリラックス法
◇就寝4時間前のカフェインの摂取、1時間前の喫煙は避ける
◇軽い読書、音楽、ぬるめの入浴や軽いストレッチで心身の緊張をほぐす
B眠くなってから床に就き、就寝時刻にこだわりすぎない
◇眠ろうとする意気込みがかえって頭をさえさせ寝つきを悪くします
C毎日同じ時刻に起床しましょう
◇早寝早起きではなく、早起きが早寝に通じる
◇休日に遅くまで寝過ぎると、翌日の朝がかえってつらくなることがあります
D光の利用で良い睡眠
◇目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計のスイッチをオンにする習慣をつけましょう
◇夜は間接照明などを利用し、明るすぎないようにする
E規則正しい食事と運動
◇朝食は心と体の目覚めに重要です
◇運動習慣は熟睡を促進します
F昼寝をするなら、午後の早い時間(15時前)の15〜20分以内にしましょう
◇長い昼寝はかえって不眠の元になります
◇夕方以降の昼寝はかえって悪影響です
G眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きしましょう
◇寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減ります
H睡眠中の激しいいびき・呼吸停止や足のむずむず感は要注意
◇睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群などの病気の可能性があるので医師に相談しましょう
I十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医へ
◇長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は医師に相談しましょう
J寝酒は不眠の元です
◇睡眠薬代わりの寝酒は、かえって深い睡眠を減らし、夜中に目が覚める原因になります
K睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全です
◇決められた時刻に決められた量を服用する
◇アルコールと併用しない

眠れない日が続くと「また今夜も眠れないのではないか」と不安になり、焦れば焦るほど
目が冴えてしまいます。
そのようなときは「いつかは眠くなるのだから、眠くなるまで起きていよう」くらいに
割り切ったほうが好結果をもたらすかもしれません。
いずれにしても困ることがありましたら専門医と相談しましょう。


(平成30年4月27日)

  熱中症に気を付けましょう
最近、夏を感じるような気温の日もあり、熱中症に注意する時期になりました。
例年、7.8月の暑い時期に発生が多いですが、梅雨の期間の6月や残暑の9月にも熱中症が見られます。
高い気温、湿度が高いほど熱中症にかかることが多いようです。気温25度〜34度、湿度42%〜96%の範囲で救急搬送が多くなるといわれています。
高温はもちろんですが、多湿でも熱中症に注意が必要です。
そこで熱中症にならないため下記のとおりのことを注意してみましょう。

【熱中症の予防】
@本格的な暑さになる前に体を慣らしていくことが重要です。暑い日が続くと体が次第に慣れて(暑熱順化)暑さに強くなります。体を暑さに慣らすには「やや暑い環境」で「ややきつい」くらいの運動を30分くらい継続することで得られます。汗をかかないような季節から行うと、夏の暑さに負けない体を準備できます。
A高温、多湿、直射日光を避けましょう。熱中症の大きな原因の一つが高温と多湿です。日差しを避け、風通しをよくしましょう。
<例えば>
ゆったりとした服装にする。
窓を開け、通気を保ち、エアコンや扇風機を使う
帽子や日傘を使用
B水分補給を計画的、かつこまめにしましょう。特に高齢者はのどの渇きを感じにくくなるため、注意が必要です。のどが渇く前に水分補給をしましょう。
C運動時などは計画的な休憩をしましょう。水だけではなく、スポーツ飲料など塩分なども入ったものなどを取りれるようにしましょう。
D規則正しい生活をしましょう。夜更かし、深酒、食事を抜くなど体調不良を招くことに繋がり、熱中症になる恐れがあります。

【熱中症の症状】
(1)めまい、たちくらみ、汗がとまらない→軽症
(2)頭痛、吐き気、倦怠感→中等度
(3)意識障害、けいれん、まっすぐに歩けない、呼びかけに対して返事がおかしい→重症

【現場での応急処置】
1、涼しい場所への避難
風通しの良い日陰やできれば冷房の効いてる室内に避難させる
2、体の冷却
衣類を緩めて風通しを良くする。氷のうなどで首の後ろ、わきの下、足の付け根など冷やす。
3、水分、塩分の補給
意識がはっきりしているときは冷たい水分を持たせて自分で飲んでもらう。

※意識がはっきりしていても、必ず誰かが側について見守り、措置を行っても改善が見られない場合は医療機関を受診しましょう。重症の場合はすぐに救急車を呼びましょう。


(平成30年5月25日)


  血便について その@
 みなさん、自分の便がどのような便か観察していますか? 
便は、長い消化管の中を通って出てきます。消化管のなかに異常があると、それが便の色や形に現われることがあります。便に血が混じるなどがその一例です。
 消化管は、口から肛門までつながっていますが、この何処かで出血し、血液が肛門から出て来る事を「下血」と言います。その中で、食道や胃等の上部消化管出血からの「下血」は、胃酸にさらされることで酸化し、黒色の便(タール便)となって出てきます。小腸から肛門までの下部消化管からの「下血」は、暗い赤色から新鮮血であることが多く、「血便」とよばれています。
 今回は、「血便」の原因にはどのような病気があるのか見ていきたいと思います。

@大腸ポリープ・大腸癌編
《大腸ポリープ》
 大腸の表面の粘膜の一部がイボのように隆起したものをポリープと言います。大腸ポリープはその構造から、「腫瘍性」と「非腫瘍性」に分けられます。大腸癌になる可能性が高いのは「腫瘍性」の「腺腫」です。「腺腫」のうちにポリープを取ってしまう事で、癌化を防ぐ事ができます。
 大腸ポリープのほとんどが無症状ですが、大きな物では血便が生じる事があります。大腸ポリープを見つけるには、便に血が混じっていないかを調べる、「便潜血検査」を行います。2日間の便を調べ(常にポリープから出血しているとは限らないため)、一日でも血が混じっていたら、一般的に内視鏡検査を行ないます。

《大腸癌》
 大腸癌は、正常な粘膜から「腺腫」が生じ、それが悪性化して癌になる場合と、正常な粘膜から直接癌が生じる場合があります。早期の大腸癌は自覚症状がない事が多いので、検診での便潜血検査をきっかけに発見される事が多いです。進行すると、部位により生じやすい症状に違いはありますが、血便や便秘、下痢、便柱狭小化などの症状を呈するようになります。
 もっとも生じる頻度の高い血便は、痔核でもみられるため、「痔だろう」などと思いがちですが、そのままにしておくと、癌が進行していくため、早期に受診する事が大切です。

 便潜血検査により、すべての癌、ポリープを発見出来るわけではありませんが、進行癌の約80%、早期癌の約50%、腺腫などのポリープの約30%を見つける事ができ、その結果、大腸癌の死亡率を約60%、大腸癌になるリスクを48〜80%下げる事が報告されています。
 殆どの市町村では、40歳以上の方の大腸癌検診(便潜血検査)を公費で負担しており、一部の自己負担で検査を受けることができます。大腸癌による死亡数は、女性では全ての癌の中で1位、男性では3位と、死亡率がかなり高いため、40歳以上の方は、少なくとも1年に1回検診を受ける事がすすめられています。
 
Aの感染症編へ続きます。


(平成30年6月30日)

  血便について そのA
A感染症(食中毒)編
《腸管出血性大腸菌(O-157)》
 充分に加熱していない肉や野菜などの食物、井戸水や湧水が原因となります。潜伏期間は3〜5日、無症状から、著しい血便と共に重篤な合併症を起こし死に至るものまで様々です。多くの場合、激しい腹痛を伴う頻回の水様便の後に、血便となります。血便の初期には血液の混入は少量ですが、次第に増加し、典型例では便成分の少ない血液そのものという状態になります。

《赤痢アメーバ》
 汚染された水、野菜や果物、肉を生で食べることで感染します。潜伏期間は、通常2〜4週間で、下痢、粘血便、しぶり腹(便意はあっても排便が無い、便意はあっても少量しか出ず頻回に便意をもよおす状態)、排便時の下腹部痛が見られます。典型例では、イチゴゼリー状の粘血便が見られ、数日〜数週間の間で良くなったり悪くなったりを繰り返します。

《細菌性赤痢》
 汚染された食べ物、生水より感染します。海外渡航中に感染する例が多く、人から人への二次感染も起こります。潜伏期間1〜3日の後に全身の倦怠感、悪寒を伴う急激な発熱、水様性下痢により発症します。発熱は1〜2日続き、腹痛やしぶり腹、膿粘血便が見られます。

《カンピロバクター》
 十分に加熱していない肉(特に鶏肉)、十分に洗っていない野菜、井戸水や湧き水が原因となります。1〜10日(平均3〜5日)の潜伏期間を経て、発熱、頭痛、腹痛、嘔気、下痢(一般的に水様便)などの症状が出現し、血便や粘血便を伴うこともあります。

《サルモネラ》
十分に加熱していない肉、卵、魚などが原因となります。通常8時間から48時間の潜伏期間の後に発症します。一般的な症状は、急性胃腸炎で、悪心、嘔吐で始まり、数時間後に腹痛、下痢をおこします。下痢には血便を伴うこともあります。

 《腸炎ビブリオ》
 生の魚介類が原因となります。潜伏期間は12時間前後、主症状としては耐え難い腹痛、水様性や下痢(まれに血便)、発熱、悪心、嘔吐が見られます。

 これからの梅雨時、夏場は食中毒が発生しやすい季節です。調理前・食事前・トイレの後の手洗いを徹底する事、また食品の管理や調理方法に気を付け、食中毒を予防していきたいですね。

Bのその他篇に続きます。


(平成30年6月30日)

  血便について そのB
Bのその他篇です。
《痔核》
 痔核とは、肛門を閉じる働きをする部位に、排便時のいきみや、長時間の同一姿勢、重い物を持ち上げるなどで負荷が掛かり、うっ血することでできるいぼ痔のことです。肛門の内側に出来る内痔核と外側に出来る外痔核があります。
 内痔核では、排便時に出血し、トイレットペーパーに鮮血が付いたり、シューっと迸って便器が赤く染まる事があります。軽度の内痔核では痛みを伴いません。
 外痔核は、痛覚を伴う皮膚に出来るため痛みを伴い、出血することもあります。

《裂肛》  
 切れ痔の事です。排便時に出血と痛みがあり、排便後にも傷みが持続するのが特徴です。

《虚血性大腸炎》
 高齢者に多く、動脈硬化などの血管側の要因と、便秘などによる腸管側の要因が絡み合って起こります。症状は突然の左下腹部痛から始まり、それに引き続き、水様性の下痢や下血が見られます。

《潰瘍性大腸炎》
 10歳代後半から30歳代前半に好発する、原因不明の炎症性疾患です。下痢、粘血便、腹痛、発熱などが症状としてみられます。

《薬剤性出血性大腸炎》
 抗生剤(特にペニシリン系)摂取数日後に、血性の下痢、腹痛で急激に発症します。トマトケチャップ様の血便が出ますが、初発時は水様便の事もあります。 

《大腸憩室出血》
 憩室とは、大腸壁の弱くなった部位が大腸の圧迫によって外側に袋状に押し出されたものの事で、内視鏡で見ると、くぼみのようになっています。この、大腸憩室の合併症の1つである大腸憩室出血は、高齢者に好発し、典型例では、無痛性の下血、血便で発症します。

 今回紹介したのは、血便が出る病気の一部です。血便が出る原因には様々なものがあり、なかには命に関わる病気もあります。そのため、血便が出たときは、自己判断で「大丈夫」と思わず、医療機関を受診することをお勧めします。
 受診する際には、血便の色(黒いか、赤いか)、量(多いか、少ないか)、血便の色が赤い時は、血液と一緒に粘液がまじっているか、便の表面に血液が付着しているだけか、便と血液がごちゃまぜに混ざっているか、血液だけ飛び散るように出ているのかなどを教えていただけると、医師も血便の状態を把握しやすくなります。携帯電話などで、写真を撮ってきて頂いてもけっこうです。
 自分の健康のバロメーターともなる便の状態を把握し、異常がある際はすぐ発見できるようにしていきたいですね。


(平成30年6月30日)

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