宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  血便について そのA
A感染症(食中毒)編
《腸管出血性大腸菌(O-157)》
 充分に加熱していない肉や野菜などの食物、井戸水や湧水が原因となります。潜伏期間は3〜5日、無症状から、著しい血便と共に重篤な合併症を起こし死に至るものまで様々です。多くの場合、激しい腹痛を伴う頻回の水様便の後に、血便となります。血便の初期には血液の混入は少量ですが、次第に増加し、典型例では便成分の少ない血液そのものという状態になります。

《赤痢アメーバ》
 汚染された水、野菜や果物、肉を生で食べることで感染します。潜伏期間は、通常2〜4週間で、下痢、粘血便、しぶり腹(便意はあっても排便が無い、便意はあっても少量しか出ず頻回に便意をもよおす状態)、排便時の下腹部痛が見られます。典型例では、イチゴゼリー状の粘血便が見られ、数日〜数週間の間で良くなったり悪くなったりを繰り返します。

《細菌性赤痢》
 汚染された食べ物、生水より感染します。海外渡航中に感染する例が多く、人から人への二次感染も起こります。潜伏期間1〜3日の後に全身の倦怠感、悪寒を伴う急激な発熱、水様性下痢により発症します。発熱は1〜2日続き、腹痛やしぶり腹、膿粘血便が見られます。

《カンピロバクター》
 十分に加熱していない肉(特に鶏肉)、十分に洗っていない野菜、井戸水や湧き水が原因となります。1〜10日(平均3〜5日)の潜伏期間を経て、発熱、頭痛、腹痛、嘔気、下痢(一般的に水様便)などの症状が出現し、血便や粘血便を伴うこともあります。

《サルモネラ》
十分に加熱していない肉、卵、魚などが原因となります。通常8時間から48時間の潜伏期間の後に発症します。一般的な症状は、急性胃腸炎で、悪心、嘔吐で始まり、数時間後に腹痛、下痢をおこします。下痢には血便を伴うこともあります。

 《腸炎ビブリオ》
 生の魚介類が原因となります。潜伏期間は12時間前後、主症状としては耐え難い腹痛、水様性や下痢(まれに血便)、発熱、悪心、嘔吐が見られます。

 これからの梅雨時、夏場は食中毒が発生しやすい季節です。調理前・食事前・トイレの後の手洗いを徹底する事、また食品の管理や調理方法に気を付け、食中毒を予防していきたいですね。

Bのその他篇に続きます。


(平成30年6月30日)

  血便について そのB
Bのその他篇です。
《痔核》
 痔核とは、肛門を閉じる働きをする部位に、排便時のいきみや、長時間の同一姿勢、重い物を持ち上げるなどで負荷が掛かり、うっ血することでできるいぼ痔のことです。肛門の内側に出来る内痔核と外側に出来る外痔核があります。
 内痔核では、排便時に出血し、トイレットペーパーに鮮血が付いたり、シューっと迸って便器が赤く染まる事があります。軽度の内痔核では痛みを伴いません。
 外痔核は、痛覚を伴う皮膚に出来るため痛みを伴い、出血することもあります。

《裂肛》  
 切れ痔の事です。排便時に出血と痛みがあり、排便後にも傷みが持続するのが特徴です。

《虚血性大腸炎》
 高齢者に多く、動脈硬化などの血管側の要因と、便秘などによる腸管側の要因が絡み合って起こります。症状は突然の左下腹部痛から始まり、それに引き続き、水様性の下痢や下血が見られます。

《潰瘍性大腸炎》
 10歳代後半から30歳代前半に好発する、原因不明の炎症性疾患です。下痢、粘血便、腹痛、発熱などが症状としてみられます。

《薬剤性出血性大腸炎》
 抗生剤(特にペニシリン系)摂取数日後に、血性の下痢、腹痛で急激に発症します。トマトケチャップ様の血便が出ますが、初発時は水様便の事もあります。 

《大腸憩室出血》
 憩室とは、大腸壁の弱くなった部位が大腸の圧迫によって外側に袋状に押し出されたものの事で、内視鏡で見ると、くぼみのようになっています。この、大腸憩室の合併症の1つである大腸憩室出血は、高齢者に好発し、典型例では、無痛性の下血、血便で発症します。

 今回紹介したのは、血便が出る病気の一部です。血便が出る原因には様々なものがあり、なかには命に関わる病気もあります。そのため、血便が出たときは、自己判断で「大丈夫」と思わず、医療機関を受診することをお勧めします。
 受診する際には、血便の色(黒いか、赤いか)、量(多いか、少ないか)、血便の色が赤い時は、血液と一緒に粘液がまじっているか、便の表面に血液が付着しているだけか、便と血液がごちゃまぜに混ざっているか、血液だけ飛び散るように出ているのかなどを教えていただけると、医師も血便の状態を把握しやすくなります。携帯電話などで、写真を撮ってきて頂いてもけっこうです。
 自分の健康のバロメーターともなる便の状態を把握し、異常がある際はすぐ発見できるようにしていきたいですね。


(平成30年6月30日)

  健康診断で血圧が高いといわれたら
皆さん、健診は毎年受けていらっしゃいますか?血圧はほとんどの方が測ると思いますが、血圧が高めですね、と言われたことはないですか?
血圧は運動や精神面、食事、気温などさまざまな影響を受けやすく、常に変動しています。1度だけでなく自宅でも時間を決めて測ってみましょう。

血圧は座った状態で測ります。この際、数分間の安静ののち、大きく何回か深呼吸をしてから測定するようにしてください。
これで血圧が135/85mmhg以上の場合は高血圧の可能性が高いです。

また、生活習慣を改めることで高血圧を改善することにつながります。
(1)食塩は1日10g未満、できれば6g未満を目標に
食塩の摂りすぎは高血圧の大きな原因になります。
(2)食べ過ぎを避け、肥満を防ぐ
(3)禁煙をする、アルコールは控えめに
(4)ストレスをためないような生活を
(5)軽い運動で肥満予防、ストレス予防

減塩生活を心がけるようにすることで循環血液量の増加が抑えられ血圧の上昇を防ぐことができます。摂取量を減らす工夫を始めましょう。

【食塩1gを含む調味料の量】
濃口しょうゆ7g(小さじ1強)
薄口しょうゆ6g(小さじ1)
ウスターソース12g
※普通のラーメン1杯で6g前後の食塩が含まれています!普段からの食生活の見直しが大切ですね。

しかし、高血圧が長い間持続すると全身の動脈硬化が進行し、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患、心筋梗塞、狭心症や心不全などの心臓病、腎硬化症や尿毒症などの腎臓病、頸動脈狭窄や下肢閉塞性動脈硬化症、高血圧性網膜症などの眼の病気を引き起こす原因となります。高血圧をそのまま放置することなく専門医と相談することが大切です。


(平成30年8月31日)

  風疹について
都会を中心に風疹の小流行が報告されています。感染拡大を防止するため予防接種が推奨されています。

風疹とは、風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症です。
別名三日ばしかともいわれています。

<原 因> 
 風疹ウイルスに感染した患者さんのくしゃみや咳などの飛沫で感染します。
 
<症 状>
 初期症状は、倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れなどが現れます。それから3〜7日前後経過すると発疹がみられます。顔から始まり全身へ広がりますが、跡を残すことはほとんどありません。発疹が現れる数日前から出現後1週間の間が感染力が強い時期です。
 症状が軽いと、気付かずに感染を広げてしまうことがあります。

<合併症>
 まれに、脳に炎症が起こり、頭痛・発熱・嘔吐などの症状や、けいれん、意識障害を来すこともあり、重症化することがあります。また、血液中の血小板が減り、出血が止まりにくくなることもあります。
 妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんが、先天性風疹症候群にかかり、白内障や心疾患、難聴などの障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。

<診 断>
 周囲の流行状況が手掛かりとなります。
 血液検査で抗体を調べたり、また血液や尿・のどから風疹ウイルスを検出したりすることで診断することもできます。

<治 療>
 特効薬は、残念ながら存在しません。
 症状を緩和する治療が行われます。
 合併症が生じた場合は、その病気に応じた治療が行われます。
 児童・生徒の方が感染した場合は、学校保健安全法で「発疹が消失するまで出席停止」と定められています。

<予 防>
 ワクチン接種による予防が最も有効とされています。
 1歳の時と小学校入学前1年間の2回接種することで予防ができます。
 風疹に罹ったことがなく、風疹ワクチンを接種していない、又は抗体検査で、免疫がついていない事がわかった場合には、任意接種を検討しましょう。予防接種を受けることで、自身だけではなく、他の人への感染を防ぐことにつながります。
 妊娠中は、ワクチン接種が受けられないため、妊娠適齢期には風疹抗体をチェックし、抗体が低い場合にはワクチン接種を受けて、予防することが推奨されています。
 予防接種の副反応は多いものが発熱と発疹です。一時的なもので自然に消失されるといわれています。
 飛沫により感染することからマスクをつけたり、手洗いやうがいを行うことも大切です。


(平成30年11月22日)

  胃内視鏡検査による胃がん検診について
みなさん、胃がん検診は受けていますか?
がんの中でも日本人に多く見られるのは胃がんです。
胃がんは一般的に初期段階では自覚症状がほとんど現れず、異常と感じる症状が現れた時には、進行がんの段階に入っていることも少なくありません。胃がんを早期に発見するには定期的に胃がん検診を受けることが大切です。

では、胃がん検診はどのようにして受けられるのでしょうか?
胃がん検診は、市町村や職域で行われている「対策型検診」と人間ドックなどの「任意型検診」で行うことができます。

この「対策型検診」での胃がん検診に近年、大きな変化がありました。

今まで、胃がん検診としてバリウム検査のみが行われていましたが、近年、胃内視鏡検査における胃癌死亡率減少効果の科学的根拠が証明され、胃内視鏡検査による胃がん検診が採用されるようになってきました。科学的根拠を証明した研究では「3年間に1度でも胃内視鏡検査を受けることで胃がんによる死亡率を30%減少させる効果がある」と報告されています。その一方、バリウム検査も胃癌死亡率減少効果を示しましたが、有意ではないこともわかりました。
こうして、従来はバリウム検査のみだった胃がん検診は、2016年4月よりバリウム検査か胃内視鏡検査を選べるようになったのです。(市町村によって胃がん検診の内容は異なります。ちなみにつくば市では2019年6月頃より胃内視鏡検査による胃がん検診が開始されると決まったと伺っています。)

今までバリウム検査で異常があると診断された場合は、医療機関で胃内視鏡検査による再検が行われていましたが、胃内視鏡検査による胃がん検診では、1度の検診で、生検といって異常が疑われる部位の細胞を一部とって詳しく調べることもできます。特に、ピロリ菌感染歴のある方は、科学的根拠の証明された胃内視鏡検査による胃がん検診を受けてみてもいいかもしれませんね。

※胃内視鏡検査による検診は2年に1度の検診で50歳以上の方が対象となります。バリウム検査による検診はしばらくの間は従来通り40歳以上の方を対象に1年に1度行われます。


(平成30年12月14日)

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