宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  風疹について
都会を中心に風疹の小流行が報告されています。感染拡大を防止するため予防接種が推奨されています。

風疹とは、風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症です。
別名三日ばしかともいわれています。

<原 因> 
 風疹ウイルスに感染した患者さんのくしゃみや咳などの飛沫で感染します。
 
<症 状>
 初期症状は、倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れなどが現れます。それから3〜7日前後経過すると発疹がみられます。顔から始まり全身へ広がりますが、跡を残すことはほとんどありません。発疹が現れる数日前から出現後1週間の間が感染力が強い時期です。
 症状が軽いと、気付かずに感染を広げてしまうことがあります。

<合併症>
 まれに、脳に炎症が起こり、頭痛・発熱・嘔吐などの症状や、けいれん、意識障害を来すこともあり、重症化することがあります。また、血液中の血小板が減り、出血が止まりにくくなることもあります。
 妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、おなかの赤ちゃんが、先天性風疹症候群にかかり、白内障や心疾患、難聴などの障害をもった赤ちゃんが生まれる可能性があります。

<診 断>
 周囲の流行状況が手掛かりとなります。
 血液検査で抗体を調べたり、また血液や尿・のどから風疹ウイルスを検出したりすることで診断することもできます。

<治 療>
 特効薬は、残念ながら存在しません。
 症状を緩和する治療が行われます。
 合併症が生じた場合は、その病気に応じた治療が行われます。
 児童・生徒の方が感染した場合は、学校保健安全法で「発疹が消失するまで出席停止」と定められています。

<予 防>
 ワクチン接種による予防が最も有効とされています。
 1歳の時と小学校入学前1年間の2回接種することで予防ができます。
 風疹に罹ったことがなく、風疹ワクチンを接種していない、又は抗体検査で、免疫がついていない事がわかった場合には、任意接種を検討しましょう。予防接種を受けることで、自身だけではなく、他の人への感染を防ぐことにつながります。
 妊娠中は、ワクチン接種が受けられないため、妊娠適齢期には風疹抗体をチェックし、抗体が低い場合にはワクチン接種を受けて、予防することが推奨されています。
 予防接種の副反応は多いものが発熱と発疹です。一時的なもので自然に消失されるといわれています。
 飛沫により感染することからマスクをつけたり、手洗いやうがいを行うことも大切です。


(平成30年11月22日)

  胃内視鏡検査による胃がん検診について
みなさん、胃がん検診は受けていますか?
がんの中でも日本人に多く見られるのは胃がんです。
胃がんは一般的に初期段階では自覚症状がほとんど現れず、異常と感じる症状が現れた時には、進行がんの段階に入っていることも少なくありません。胃がんを早期に発見するには定期的に胃がん検診を受けることが大切です。

では、胃がん検診はどのようにして受けられるのでしょうか?
胃がん検診は、市町村や職域で行われている「対策型検診」と人間ドックなどの「任意型検診」で行うことができます。

この「対策型検診」での胃がん検診に近年、大きな変化がありました。

今まで、胃がん検診としてバリウム検査のみが行われていましたが、近年、胃内視鏡検査における胃癌死亡率減少効果の科学的根拠が証明され、胃内視鏡検査による胃がん検診が採用されるようになってきました。科学的根拠を証明した研究では「3年間に1度でも胃内視鏡検査を受けることで胃がんによる死亡率を30%減少させる効果がある」と報告されています。その一方、バリウム検査も胃癌死亡率減少効果を示しましたが、有意ではないこともわかりました。
こうして、従来はバリウム検査のみだった胃がん検診は、2016年4月よりバリウム検査か胃内視鏡検査を選べるようになったのです。(市町村によって胃がん検診の内容は異なります。ちなみにつくば市では2019年6月頃より胃内視鏡検査による胃がん検診が開始されると決まったと伺っています。)

今までバリウム検査で異常があると診断された場合は、医療機関で胃内視鏡検査による再検が行われていましたが、胃内視鏡検査による胃がん検診では、1度の検診で、生検といって異常が疑われる部位の細胞を一部とって詳しく調べることもできます。特に、ピロリ菌感染歴のある方は、科学的根拠の証明された胃内視鏡検査による胃がん検診を受けてみてもいいかもしれませんね。

※胃内視鏡検査による検診は2年に1度の検診で50歳以上の方が対象となります。バリウム検査による検診はしばらくの間は従来通り40歳以上の方を対象に1年に1度行われます。


(平成30年12月14日)

  鼻からの胃カメラ検査は口からの胃カメラ検査より安全で楽なのか?
前回、胃カメラによる胃癌検診についてお話ししましたが、「胃カメラはオエッとなるので嫌だ」と、抵抗をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

胃カメラには、口からの経口内視鏡検査と、鼻からの経鼻内視鏡検査があります。
この2つの検査、何が違うのかというと、まず、使用するカメラが違います。口からの経口内視鏡は直径が約10mmであるのに対し、鼻からの経鼻内視鏡は直径が約5mmと半分の細さです。
また、カメラの通る経路も違います。口からの経口内視鏡は口から入っていくので、舌根部(舌の付け根)に触れながらカメラが入っていきます。そのため、オエッとなる嘔吐反射が起こりやすくなります。しかし、鼻からの経鼻内視鏡は鼻から入っていくので、カメラが舌根部に触れず、そのため経口内視鏡に比べると嘔吐反射は起こりにくくなっています。

実は最近、胃カメラ検査が身体に与える影響を評価した報告が発表されました。この研究では、検査前、検査中、検査後の酸素飽和度(血管の中に流れている酸素の量)、血圧、脈拍、嘔気の回数を測定しています。
結果として、口からの胃カメラ検査では鼻からの検査よりも検査開始後の血圧上昇、脈拍増加が見られ、酸素飽和度も著名に低下していました。鼻からの胃カメラ検査では嘔気の回数が口からの検査より有意に少ないという結果が見られました。
また、鼻からの胃カメラ検査をした人たちの中で、過去に口からの検査をしたことがある人の大半は、次回以降も鼻からの胃カメラ検査を希望しました。
この結果から、鼻からの胃カメラ検査は、口からの検査より心肺機能に与える影響が少なく、患者の忍容性が良好と結論づけられました。

初めて胃カメラ検査を受けられる方や、口からの胃カメラ検査で辛い経験のある方は、鼻からの胃カメラ検査を選択されてもよいかもしれません。


(平成31年1月15日)

  ピロリ菌の除菌による胃がん抑制効果について
ピロリ菌(正式名称ヘリコバクター・ピロリ)は強酸性の胃の中でも生息できる、消化器疾患に大きく関わりのある細菌です。

ピロリ菌が発見されるまで、胃・十二指腸潰瘍などは、ストレスや生活習慣が主な原因と考えられていましたが、ピロリ菌の発見・研究により、胃炎や胃・十二指腸潰瘍はピロリ菌の感染が原因となっていることが明らかとなりました。
この発見により、ピロリ菌の除菌治療が行われるようになり、胃がんや再発を繰り返す胃・十二指腸潰瘍の治療に革命がもたらされました。

最近行われた研究では、ピロリ菌除菌治療による胃がん抑制効果について、日本人を含むアジア人の無症候性ピロリ菌感染者が除菌すると、男性は15.3人、女性は23人に1人の胃がん発生を抑制できるという結果が報告されています。

しかし、ピロリ菌除菌に成功したからといって、胃がんにならなくなったわけではありません。ピロリ菌に感染していた期間が長いと、胃の粘膜が炎症を起こしており、正常の胃粘膜に戻るまで時間がかかるからです。
ピロリ菌除菌後も、定期的に内視鏡検査を受け胃の状態を定期的に確認することが大切です。

※ピロリ菌の除菌について、Dr.宮川の注目コーナー16ページの「ピロリ菌について」に詳しく記載しています。合わせてご覧ください。


(2019年2月22日)

  内視鏡的ポリープ切除により大腸癌罹患率は減少するのか?
みなさん、大腸がん検診は受けていますか?
現在、悪性腫瘍(がん)は、日本人の死因の第1位です。悪性腫瘍(がん)の部位別死亡数を見ると、女性は大腸癌が1位、男性は3位と上位に位置しています。
この20年で大腸癌による死亡数は約1.5倍に拡大しており、生活習慣の欧米化(高脂肪、低繊維食)が関与していると考えられています。
ライフスタイルの改善ですぐ腸内環境が良くなるわけではなく、効果が現れるまで長い時間を要します。そのため、ライフスタイルを改善すると共に癌検診を毎年受け、リスクを下げながら早期発見・早期治療を目指すことが重要です。

大腸癌検診は、まず問診と便潜血検査を行います。便潜血検査はいわゆる検便で、2回分の便を検査します。大腸癌やポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れ血液が付着することがあります。便潜血検査では目に見えないわずかな出血を感知することも可能です。
便潜血検査が陽性の場合、精密検査として大腸内視鏡検査を行います。

大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を入れ、大腸に異常がないか観察を行います。検査では、ポリープが見つかることがあります。ポリープとは、大腸の表面の粘膜層の一部がイボのように隆起したものです。ポリープの中で注意する必要があるのは腫瘍性ポリープです。
腫瘍性ポリープには悪性腫瘍と良性腫瘍(腺腫)があります。腺腫は良性のポリープですが、悪性化しがんになる場合があります。そのため、腺腫のうちに取ってしまうことは大腸癌の予防となります。
最近発表された米国の研究でも、「腺腫性のポリープの内視鏡的摘除により、大腸癌罹患率は76~90%減少する」との報告がなされています。
一般的にポリープがあっても自覚症状はありません。
そのため、定期的にがん検診を行い、必要時には大腸内視鏡検査を行うことは重要と言えます。
ライフスタイルを見直すとともに、検診を受け、予防できる疾病は予防していきたいですね。


(2019年3月26日)

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