宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  たばこの害について
病気になった時に辛い思いをするのは自分だけではありません。親しい人、家族にも悲しく辛い思いをさせてしまうかもしれません。健康的に長生きするために、禁煙について考えてみませんか。


たばこには4000種類以上の化学物質が含まれています。代表的な有害物質は、ニコチン、タール、一酸化炭素などです。
◎ニコチン
血圧を上げたり、心拍数を増やして心臓に負担をかけます。依存性が強くたばこをやめられない原因に。
◎タール
発がん物質が多く含まれています。
◎一酸化炭素
ヘモグロビンと結びついて血液が酸素を運ぶのを妨げるため、心臓の負担が大きくなります。


たばこを吸っていると、様々な病気にかかりやすくなります。
●がん
たばこに含まれる発がん物質が肺から吸収されて血液中に入り、体内の臓器に入ることで発生します。肺がん・食道がん・口腔がん・咽頭がん・喉頭がんは非喫煙者よりもリスクがかなり高くなります。
●呼吸器疾患
臓器が直接たばこの煙と触れることによるものです。慢性気管支炎・肺気腫・COPD(慢性閉塞性呼吸器疾患)などがあります。
●循環器疾患
血圧を上げるニコチンや、動脈硬化を促進する一酸化炭素によるものです。狭心症、心筋梗塞にかかりやすくなります。
●消化器疾患
ニコチンの作用により、胃潰瘍、十二指腸潰瘍にかかりやすくなります。
●その他
歯周病・頭痛・口臭・食欲低下・持久力の低下などがあります。


※たばこは吸っている本人だけでなく、たばこの先から立ち上る副流煙が周りの人の健康に影響を与えます。副流煙には、本人がフィルターを通して吸い込む主流煙より多くの有害物質が含まれています。

※家でたばこを吸う方、たばこの煙は小さな子供、赤ちゃんにも悪影響を及ぼします。たばこの煙の影響で、感染症や喘息になる可能性が高くなります。


(平成26年4月30日)

  胃癌リスク健診(ABC健診)について
胃癌リスク健診(ABC検診)は、健康診断の際にあらかじめ採取した血液検体を利用し、血液中のピロリ菌抗体の有無(陽性か陰性か)及びペプシノゲン値(陽性、陰性)を測定し、胃癌リスクをABCDの4群に分ける健診です。
A群は、今後胃癌が発生する可能性が極めて低く、B群、C群、D群の順に胃癌のリスクが大きくなります。

胃癌リスクの高低に合わせ、胃カメラによる精査を1年に1回から3年に1回に分けて、検診対策をとる事がABC健診の特徴です。
さらに、この健診のもう一つの特徴はピロリ菌が体内に存在しているかどうかがわかるということです。

ピロリ菌が胃癌の最大の原因といわれる現在、ピロリ菌保有者が若いうちに除菌治療を受けることが極めて重要であります(医療保険適用)。
従って、胃癌リスク健診(ABC健診)が胃癌をより効率的に検出する(二次予防)だけでなく、胃癌を減少させる(一次予防)の効果もあり、一石二鳥の新しい胃癌健診法と言ってよいでしょう。
そのため、従来のバリウムによる胃癌検診に変えて、ABC検診が採用されることが時代の流れと考えられます。

胃癌リスク健診の結果では、要精密検査、要治療に該当する方(即ちBCD群)には是非この機会を利用して医療機関と相談して適切な治療を受けられることをお勧め致します。


(平成26年5月16日)

  血管年齢を若く保つために
私たちが生きていくために必要な酸素や栄養。それらをカラダのさまざまな細胞に届けているのが「血液」です。そして、その「血液」が通る道、それが「血管」です。健やかな毎日を送るためには、「血液」だけでなく「血管」を健康に保っておくことが大切です。
血管の状態を年齢で表したものを血管年齢といい、脳卒中や心臓病にかかる可能性、老化などを知る目安になります。

健康な血管というのは、しなやかで弾力性があります。そのしなやかさと弾力性によって血液がスムーズに流れ、全身に必要な酸素や栄養を十分に行き渡らせることができるのです。
しかし、血管は年齢とともに老化します。年をかさねるにつれて、血管の壁が厚くなり、厚みが増すことで弾力性がなくなるため、しなやかさが損なわれてしまいます。
また、高コレステロールや糖分の多い食事、過度な飲酒や喫煙、運動不足などの生活習慣も血管を老化させる原因となります。

血管が老化し、硬くもろくなっていくことを一般的に「動脈硬化」といいます。そして動脈硬化が起こると、血管の内腔はせまくなったり、それ自体がもろくなり、血液がスムーズに流れにくくなります。
血液と血管は、表裏の関係です。血管の中を流れる血液がドロドロだと、全身のすみずみまで行き渡ることができないうえに、血管そのものの老化を促進させます。
このように、ボロボロになり弾力性やしなやかさを失うと、血管がせまくなる粥状硬化や、血管壁の破裂、そしてゆくゆくは血管の詰まりの原因になり、脳卒中や心筋梗塞など大きな病気を招く要因になります。これらの病気の症状によっては、寝たきり生活になってしまったり、さらに症状が悪化すると生命そのものに大きな影響を及ぼす状態にもなりかねません。

では、血管の老化を防ぐためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょう。
1.食生活の改善
毎日きちんとした食事をとりましょう。血管にやさしい大豆製品、青魚、野菜、ネギ類、海藻、キノコなどは、できるだけ毎日とりいれるといいでしょう。食事の際はしっかり噛むことを心がけましょう。
また、食事の量は腹八分目までに抑え、飲酒の適正量を守りましょう。
2.軽めの運動をする
普段の生活の中に歩くことを積極的に取り入れましょう。
慣れてきたらウォーキングなどの有酸素運動を週に3〜4回を目標に、毎回30分位汗ばむ程度に行いましょう。
体調に合わせて、無理のないよう続けることが大切です。
3.禁煙する
喫煙すると血管が収縮したり、血圧を上昇させたりと動脈硬化や高血圧の原因になってしまいます。タバコを1本吸うと、血管が硬くなる状態が30分続くといわれています。
喫煙者の方はぜひ禁煙にチャレンジしてみましょう。
その他に、睡眠時間の確保やストレス溜めないことも大切です。

血管年齢は当院で検査することができます。
ご希望の方は、診察の際、医師にご相談ください。


(平成26年8月19日)

  最近遭遇した救急の2症例 〜絶体絶命のピンチをどうやって乗り越えたか〜
最近、救急の2症例に間接的に遭遇しました。一般市民に救急の重要性を提唱するため、ホームページを通して、この2症例を紹介させていただきたいと思います。

<症例1>ブルガター症候群による突然心停止の1例
私が産業医として携わっているつくば市内の事業所の出来事ですが、11月5日の朝、30代前半の男性が、普段通りデスクワークをしていた所、突然意識不明となりましたが、その時は約30秒後に自然に回復しました。しかし、30分後、今度は全身けいれんと共に、まもなく心停止・呼吸停止となってしまいました。
現場は騒然となり、救急車を呼ぶ人もいれば、現場に駆けつけた看護師2名が懸命に心臓マッサージや人工呼吸を行いました。また、AED除細動器が用意され、看護師2名が普段の練習の通り、AEDによる除細動を行いました。幸い、すぐに奏功し、奇跡的に一命を取り留めました。その後救急車でメディカルセンター病院に搬送され、精査により、ブルガター症候群による突然心停止であったことが判明しました。

<症例2>蜂刺傷によるアナフィラキシーの1例
私の友人におこった出来事ですが、先日、農林関係の作業をしていた所、蜂に1ヶ所刺されてしまいました。その後数分もたたないうちに、気分不快、呼吸苦を訴え、意識がもうろうとなってしまいました。たまたま作業していた所が病院から近かったため、同僚がその場で決断をし、すぐに乗用車で救急外来に搬送しました。救急外来到着時、すでにショック状態に陥っていましたが、救急担当医の懸命な治療により、友人は九死に一生を得ました。
先日、友人が蜂刺傷事故のための自己注射薬エピペンの処方を希望し、当院に来院した際に判明したことですが、今回の蜂刺傷は2回目で、1回目はなんと46年前の16歳の時だったそうです。

<考案>
この2名の患者さんが助かった最大の理由は、やはり現場にいた方々の適切な判断および、迅速な蘇生技術によるものだと思います。日本の救急車が現場に到着する時間は、平均して、連絡を受けてから8〜10分程度だそうです。心停止が発生した場合、蘇生せずにそのまま放置してしまうと、1分間につき救命率が10%低下すると言われています。即ち、10分間そのまま放置してしまいますと、ほとんど救命することはできないと考えられます。症例1の同事業所における、普段の健康安全訓練やAEDの点検に多くの力を注いでいる点を大いに称賛致します。
一方症例2では、たまたま現場が病院に近かったため、同僚の判断で直接病院に搬送したことが正しかったかもしれません。日本国内では、毎年60名前後の方がアナフィラキシーにより亡くなっており、その原因としては医薬品と蜂刺傷が多いと言われています。本症例の様に、46年ぶりに蜂に刺されても重症化してしまったことを考えますと、蜂刺傷高危険群の方には自己注射可能なエピペンの携帯をおすすめ致します。

最後になりますがAEDがかなり普及している現在、果たして、皆さんがいざという時に落ち着いてAEDを操作することができるのでしょうか。講習会さえ受ければ、大半の方が操作できるようになると私は信じております。皆さん、機会がありましたら、ぜひAEDや蘇生の講習会にご参加ください。

(平成26年11月20日)

  がんから命を守る内視鏡検査(その1)
皆さんご存知かと思いますが、日本人の死因上位を占めるのは「がん」です。中でも胃がんや大腸がんから命を守るためには、定期的に内視鏡検査を受けて、体の中に異常がないかを確認し、早期の段階で病変を発見し、治療を開始することが大切です。
しかし中には、「がんは怖いけど、内視鏡検査も怖い」という方や、「特に気になる症状はないから」という理由で、内視鏡検査を受けない方もいるのではないでしょうか?しかし、早期には自覚症状がほとんどないような病気もありますので、定期的ながん検診が必要なのです。
今回は内視鏡検査について詳しくご説明いたします。

< 内視鏡検査とはどんな検査? >
内視鏡を挿入して、モニターで胃や腸を直接観察する検査です。口や鼻からカメラを入れて検査する上部消化管内視鏡検査と、肛門からカメラを挿入する下部消化管内視鏡検査に分けられます。
上部消化管内視鏡とは一般的に胃カメラと呼ばれるもので、食道、胃、十二指腸を観察して、ポリープや腫瘍、炎症、潰瘍などがないかを診ていきます。一方、下部消化管内視鏡は大腸内視鏡と呼ばれているもので、直腸、結腸に至る大腸全体と、大腸と小腸のつなぎ目である回腸、肛門部などに病変がないかを調べます。

胃カメラ検査は、大腸内視鏡検査よりもどちらかと言えば身近な検査ですが、「つらい」「痛い」といったイメージが強く、どうしても敬遠されがちですよね。しかし最近では、苦痛の少ない経鼻内視鏡検査を実施している病院も増えてきました。
一般的な経口内視鏡では、舌根部にスコープが触れることで嘔吐反射が起こり、吐き気などの苦痛を伴いますが、鼻からカメラを入れる経鼻内視鏡であれば、比較的楽に検査を受けることができます。当院でも経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査のどちらかを選択することができますので、お気軽にご相談下さい。
また、検査に要する時間はおよそ5分から10分程度といったところです。前処置をしてからの検査となり、検査後は院内で少しの間休んで頂いた後に診察で結果を聞いて頂きますので、受付をしてから2時間程度で帰れます。当院の場合、胃カメラ検査につきましては、初診の方でも電話予約が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

(その2)に続きます。

(平成27年2月16日)

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