宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  がんから命を守る内視鏡検査(その2)
(その2)では内視鏡検査で分かる病気と検査を受けるタイミングについて説明致します。

< 内視鏡検査で分かる病気 >
内視鏡検査では、悪性腫瘍を見落とさないことが最優先ですが、胃カメラ検査では胃がんや食道がん以外にも、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎、近年日本人に増えている逆流性食道炎などの病変を発見することができます。
大腸内視鏡検査では、大腸がんだけでなく、クローン病や潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患がみつかったり、痔の様態を確認することができます。
疾患によっては自覚症状がないまま進行するものや、自覚症状だけで診断するのが難しい病気もありますので、内視鏡検査で体の内部を観察して異常がないか調べることは、様々な病気から体を守る上で重要です。


< 内視鏡検査を受けるタイミング >
胃カメラでしたら、胃痛などの症状が続いている場合は、医療機関を受診して、検査を受けてみましょう。中には、とりあえず薬を飲んでみて様子をみるといった方もいらっしゃいますが、症状の原因はわからないままであり、薬を飲んでいても症状が良くならないという場合もあります。その時は、思いきって検査を受けてみることをお勧めします。また症状がない場合でも、ピロリ菌感染のある方、胃粘膜萎縮がある方は胃がんの発生リスクが高くなりますので、年に一回は内視鏡検査を受けましょう。
大腸では、便通異常や血便などの症状がみられたら、すぐに医療機関を受診し、医師にご相談されることをお勧めします。大腸がんは、早期に発見できれば、そのほとんどが内視鏡的に、または外科的に根治可能な病気です。早期大腸がんの5年生存率は、80%以上と極めてよく、進行がんでもがんの浸潤の程度とリンパ節転移の程度により予後が変わってきます。また、大腸がんは肝臓にもっとも転移しやすいのですが、肝臓転移が見つかっても、肝臓を手術したり抗がん薬を用いたりして長期に生存することも可能なのです。
遺伝的な影響もあるとも言われている大腸がん。ご家族で大腸がんになられた方がいる場合や、過去に治療を受けたことのある方、ポリープが見つかったことのある方は、定期的に検査を受けましょう。


会社の健康診断以外にも、市で行っている健診などでがん検診を受ける機会はあっても、まだまだ受診する方が少ないのが現状です。また、特に自覚症状はないが、がん検診には興味があるという方の中にも、内視鏡検査に苦手意識がある方もいらっしゃると思います。
しかしそういった方でも、胃ではABC検診(胃がんリスク検診ともいわれ血液検査を行う)、大腸では便潜血検査(検便で血が混ざってないか調べる)など、簡単にできるがん検診もあります。もし、それで陽性(がんの疑いあり)の結果が出た場合に、精密検査を受けることを考えてもいいのです。
当院でも、特定健診やがん検診、もちろん胃カメラ検査や大腸内視鏡検査も受けられますので、お気軽にお問い合わせください。
40歳を過ぎて高齢になるほど、がんにかかる率は高まります。ぜひ、年に一度は健康診断やがん検診を受け、ご自身の健康状態を確認しましょう。

(平成27年2月16日)

  AEDとは何でしょう?
AEDとは自動体外式除細動器のことをいいます。救急の現場で一般の人でも、簡単に安心して除細動(電気ショック)が行うことができるよう設計されています。
小型の器械で、体外(裸の胸の上)に貼った電極のついたパッドから自動的に心臓の状態を判断します。もし心室細動という不整脈(心臓が細かくブルブルふるえていて、血液を全身に送ることができない状態)を起こしていれば、強い電流を一瞬流して心臓にショックを与えること、いわゆる電気ショック行い、心臓の状態を正常に戻す機能を持っています。
器械の電源を入れれば音声が使い方を順に指示してくれるので、誰でもこの器械を使って救命することができます。
AEDは、駅や市役所、ショッピングモールなどの公共施設や学校などに設置されています。

心室細動を起こすと、1分経過するごとに約10%、助かる確率が減っていくといわれています。救急車が現場に到着するまでの時間はおよそ8分かかるとされており、救急車を待っていたのでは助かる確率がかなり低くなります。119番に連絡するまでに数分かかったとすれば、さらに助かる可能性は低くなるのです。
しかし、AEDの登場で、人が倒れた場所の近くにこのAEDがあって、そこにいる人たちがすぐに操作をすれば、助かる可能性が高くなりました。

AEDは初めての人でも簡単に使えるように設計されています。
○手順1
電源を入れると音声の指示が始まります。種類によってはフタを開けると電源が入るものもあります。
○手順2
右胸の上部(鎖骨の下)と左胸の下部に電極パッドをはります。
※胸が汗などでぬれている場合は拭き取っておきます。シップ薬などもはがしておきます。
※ペースメーカーなど皮膚の下に何か埋め込まれている場合はそこを避けてはります。(皮膚の下に硬いこぶのようなものがあります。)
※就学前の子どもには、子ども用パッドか小児モードに切り替えます。ない場合は大人と同じパッドを使います。
○手順3
AEDが自動的に心電図を解析し、音声などで指示を出します。電気ショックが必要な場合は「電気ショックが必要です」と音声が流れ、充電が始まります。
充電が終わり、「ショックボタンを押してください」の音声や充電終了の連続音が流れ、ショックボタンが点滅します。
「離れて」とまわりの人に注意し、誰も触れていないことを確認し、ショックボタンを押します。
※AEDはまた心電図を解析して、2分ごとに電気ショックが必要か否か指示をしてくるので、それに従います。
※電気ショックが必要ない場合にはボタンを押しても電気が流れませんので、操作を間違って電気が流れるようなことはありません。
※AEDと併せて心臓マッサージ(胸骨圧迫)を行うことも重要です。

AEDは初めての人でも使うことができますが、人が倒れたときなどは、なかなか冷静に動けないものです。AEDの使い方だけでなく119番への通報や心臓マッサージ(胸骨圧迫)なども含め、消防署や講習会などで一度、救命救急の方法を経験してみませんか。

(平成27年8月25日)

  溶連菌感染症について
空気が乾燥し、気温が低くなるこれからの季節。
冬季に流行するのはインフルエンザだけではありません。喉の痛みを伴う「溶連菌感染症」についても知識を深めておきましょう。

1.溶連菌感染症とは
A群β溶血性連鎖球菌による感染症です。喉に感染して咽頭炎や扁桃炎を引き起こします。
風邪に似た症状ですが、治療には抗生物質の服用が必要になります。
小学生から中学生にかけてよくみられる病気ですが、大人も感染します。
学校などの集団感染や、家庭内での家族感染も多くみられます。

2.主な症状
流行時期は冬季・春から初夏にかけてです。
主な感染経路は、感染している人の咳・くしゃみなどによる飛沫感染です。
潜伏期間は2〜3日で、突然に発熱し、熱は38〜39度の高熱になり、喉の痛みや扁桃炎を起こします。
その後に赤い発疹が首、胸、手足などに出始め、全身に広がることもあります。
また、溶連菌感染症の特徴的な症状として、舌にイチゴのような赤いプツプツができる「イチゴ舌」と呼ばれる症状が現れてきます。

3.治療方法
抗生物質を10日間内服します。
抗生物質は医師の指示どおりきちんと飲みきることが大切です。
当院ではまず、半分の日数分処方します。その後、薬がなくなる前にもう1度来院診察し、残りの日数分処方します。抗生物質が効いていることを確かめるため2度に分けて処方しています。
また、発病してから3週間後に尿検査をし、尿に異常がないことを確認します。

4.合併症について
合併症としては中耳炎、気管支炎、リンパ節炎などがあります。
また、近年では減少傾向にありますが急性腎炎を起こすこともあります。
全身の関節が痛みを伴った炎症を起こしたり、心内膜炎を発症することもある、リウマチ熱も主な合併症のひとつです。

5.家庭の中で気をつけること
(1)食事について
のどに刺激の強い、熱い・辛い・すっぱいものは避けましょう。
食べ物は、のどごしがよいゼリーやヨーグルト、消化の良いおかゆやうどんにしましょう。
食べるのがつらい場合は水分だけでもしっかりしましょう。(ただし、炭酸は刺激が強いため×)
(2)入浴について
熱が下がっていれば、入浴しても問題ありません。
発疹が出ている場合、お湯を熱くするとかゆみが強くなりますので、温めすぎないようにしましょう。
※家族に感染者がいる場合には多く接触することは避け、手洗いうがいを徹底し、マスクの着用をしましょう。

6.登園・登校について
抗生物質が効いて(2日後)熱が下がり、症状が落ち着けば、登園・登校は可能です。

(平成27年11月25日)

  長引く咳の原因は?咳喘息について
みなさんは「喘息」と聞くとどのような症状をイメージしますか?
咳が続き、ヒューヒューゼーゼーと苦しそうな呼吸をしている様子が思い浮かぶのではないでしょうか?
実はそれは「気管支喘息」といわれるもので、「咳喘息」の症状とは違います。
“呼吸は苦しくないけれど咳だけが長引いている”そんな症状がある場合、もしかしたらそれは「咳喘息」かもしれません。

咳喘息とは、気管支喘息になる一歩手前の状態と考えられています。

□風邪のあとに咳だけがいつまでも残り、風邪薬や咳止めを飲んでも効かない
□8週間以上慢性的な空咳が続いている
□気管支喘息のような喘鳴(ヒューヒューゼーゼー)や呼吸困難を伴わない
□気管支喘息にも使用する気管支拡張薬の吸入で楽になる
□咳は夜間から明け方に出ることが多い
□冷たい空気やタバコの煙などの刺激、会話中や運動中に咳き込みやすい
□胸部レントゲン検査で異常がない
□アレルギーがある

上記の条件が当てはまる場合、咳喘息が最も疑われます。
咳は痰を伴わない空咳のことが多く、軽い咳から始まって次第に悪化する人もいれば、突然のひどい咳にみまわれる人もいます。
咳喘息の患者さんの約3割が将来気管支喘息になるといわれており、早期に治療することが大切です。

咳喘息の治療についてですが、気管支喘息と同じように気道が過敏な状態が続いているため、風邪薬や抗生物質、咳止めの薬はほとんど効果がありません。咳喘息の治療には、
○気管支拡張薬(気管支を拡張させて空気の通り道を広げる薬)
○気道の炎症を抑えるための吸入・経口のステロイド薬
を使用します。特に、吸入ステロイド薬の使用は“咳症状の治療”とともに“気管支喘息への移行を予防”する効果が期待できます。

また、予防として日常生活では、
・風邪やインフルエンザに注意をし、気道に炎症を起こさせない
・気管支に刺激を与えないためにも、禁煙をする(周りに喫煙者がいる場合は分煙・禁煙をお願いする)
・掃除をし、アレルギーを引き起こす原因となるハウスダスト・カビ・花粉などを排除する
・咳喘息の発作を引き起こす急激な気温の変化に注意する
ようにしましょう。

気管支喘息や咳喘息以外にも、咳の続く原因として、咳喘息と症状がよく似ているアトピー咳嗽(がいそう)、胃食道逆流、副鼻腔気管支症候群、COPDなど色々あります。
それぞれ治療に使用する薬剤は異なりますので、医療機関を受診し、適切な治療をうけましょう。

(平成28年1月19日)

  「つくタク」乗降場所設置のお知らせ
皆さんにお知らせがあります。
この度、患者様のご希望により、宮川医院の前に「つくタク」の乗降場所が設置されることになりました。3月28日(月)よりご利用いただけます。
これまでつくタクをご利用されていた方には非常に便利になり、また、今までつくタクを利用されたことのない方にも利用していただきやすくなりました。
病院の目の前まで送迎していただけるため、雨や強風など天候が悪い日でも安心してご来院いただけます。また、車の運転をされない方は、ご家族が留守の日でも、ご自身の都合に合わせてつくタクを利用して来院していただくことが可能になります。
料金も一般のタクシーより、非常にリーズナブルです。
詳細について、また、利用をご検討・ご希望の方は、受付までお気軽にお問合せください。



「つくタク」とは
ご希望の時間帯を予約し、自宅近くから目的地近くの乗降場所までご利用できる乗合タクシーです。
利用時間は平日9時台から16時台です。
予約は利用希望日の7日前(5営業日前)から当日利用希望時間帯30分前(9時台の予約は前日17時まで)です。当日の予約も可能ですので、診察後の帰宅時にもご利用いただけます。
利用できる場所は以下の通りです。
・市内の5地区(筑波、大穂・豊里、桜、谷田部、茎崎)の各地区内
・各地区〜共通ポイント(つくばセンター、研究学園駅、市役所、イーアスつくば、クレオ前、筑波大学病院前、筑波メディカルセンター病院前)
オレンジ色のつくタクの標識のある乗降場所での乗り降りとなりますが、登録をすればご自宅前から利用することも可能です。
料金は同一地区内であれば1人300円でご利用いただけます。各地区〜共通ポイントまでは300円または1,300円となります。現金でのお支払いはできませんので、事前に利用券を購入しておきましょう。当院でも利用券を購入することができます。また、割引制度があり、65歳以上のつくば市にお住いの方(事前に申請が必要)、障害をお持ちの方、小学生以下のお子さんは運賃の半額でご利用いただけます。

(平成28年3月24日)

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