宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  胃癌リスク健診(ABC健診)について
胃癌リスク健診(ABC検診)は、健康診断の際にあらかじめ採取した血液検体を利用し、血液中のピロリ菌抗体の有無(陽性か陰性か)及びペプシノゲン値(陽性、陰性)を測定し、胃癌リスクをABCDの4群に分ける健診です。
A群は、今後胃癌が発生する可能性が極めて低く、B群、C群、D群の順に胃癌のリスクが大きくなります。

胃癌リスクの高低に合わせ、胃カメラによる精査を1年に1回から3年に1回に分けて、検診対策をとる事がABC健診の特徴です。
さらに、この健診のもう一つの特徴はピロリ菌が体内に存在しているかどうかがわかるということです。

ピロリ菌が胃癌の最大の原因といわれる現在、ピロリ菌保有者が若いうちに除菌治療を受けることが極めて重要であります(医療保険適用)。
従って、胃癌リスク健診(ABC健診)が胃癌をより効率的に検出する(二次予防)だけでなく、胃癌を減少させる(一次予防)の効果もあり、一石二鳥の新しい胃癌健診法と言ってよいでしょう。
そのため、従来のバリウムによる胃癌検診に変えて、ABC検診が採用されることが時代の流れと考えられます。

胃癌リスク健診の結果では、要精密検査、要治療に該当する方(即ちBCD群)には是非この機会を利用して医療機関と相談して適切な治療を受けられることをお勧め致します。


(平成26年5月16日)

  血管年齢を若く保つために
私たちが生きていくために必要な酸素や栄養。それらをカラダのさまざまな細胞に届けているのが「血液」です。そして、その「血液」が通る道、それが「血管」です。健やかな毎日を送るためには、「血液」だけでなく「血管」を健康に保っておくことが大切です。
血管の状態を年齢で表したものを血管年齢といい、脳卒中や心臓病にかかる可能性、老化などを知る目安になります。

健康な血管というのは、しなやかで弾力性があります。そのしなやかさと弾力性によって血液がスムーズに流れ、全身に必要な酸素や栄養を十分に行き渡らせることができるのです。
しかし、血管は年齢とともに老化します。年をかさねるにつれて、血管の壁が厚くなり、厚みが増すことで弾力性がなくなるため、しなやかさが損なわれてしまいます。
また、高コレステロールや糖分の多い食事、過度な飲酒や喫煙、運動不足などの生活習慣も血管を老化させる原因となります。

血管が老化し、硬くもろくなっていくことを一般的に「動脈硬化」といいます。そして動脈硬化が起こると、血管の内腔はせまくなったり、それ自体がもろくなり、血液がスムーズに流れにくくなります。
血液と血管は、表裏の関係です。血管の中を流れる血液がドロドロだと、全身のすみずみまで行き渡ることができないうえに、血管そのものの老化を促進させます。
このように、ボロボロになり弾力性やしなやかさを失うと、血管がせまくなる粥状硬化や、血管壁の破裂、そしてゆくゆくは血管の詰まりの原因になり、脳卒中や心筋梗塞など大きな病気を招く要因になります。これらの病気の症状によっては、寝たきり生活になってしまったり、さらに症状が悪化すると生命そのものに大きな影響を及ぼす状態にもなりかねません。

では、血管の老化を防ぐためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょう。
1.食生活の改善
毎日きちんとした食事をとりましょう。血管にやさしい大豆製品、青魚、野菜、ネギ類、海藻、キノコなどは、できるだけ毎日とりいれるといいでしょう。食事の際はしっかり噛むことを心がけましょう。
また、食事の量は腹八分目までに抑え、飲酒の適正量を守りましょう。
2.軽めの運動をする
普段の生活の中に歩くことを積極的に取り入れましょう。
慣れてきたらウォーキングなどの有酸素運動を週に3〜4回を目標に、毎回30分位汗ばむ程度に行いましょう。
体調に合わせて、無理のないよう続けることが大切です。
3.禁煙する
喫煙すると血管が収縮したり、血圧を上昇させたりと動脈硬化や高血圧の原因になってしまいます。タバコを1本吸うと、血管が硬くなる状態が30分続くといわれています。
喫煙者の方はぜひ禁煙にチャレンジしてみましょう。
その他に、睡眠時間の確保やストレス溜めないことも大切です。

血管年齢は当院で検査することができます。
ご希望の方は、診察の際、医師にご相談ください。


(平成26年8月19日)

  最近遭遇した救急の2症例 〜絶体絶命のピンチをどうやって乗り越えたか〜
最近、救急の2症例に間接的に遭遇しました。一般市民に救急の重要性を提唱するため、ホームページを通して、この2症例を紹介させていただきたいと思います。

<症例1>ブルガター症候群による突然心停止の1例
私が産業医として携わっているつくば市内の事業所の出来事ですが、11月5日の朝、30代前半の男性が、普段通りデスクワークをしていた所、突然意識不明となりましたが、その時は約30秒後に自然に回復しました。しかし、30分後、今度は全身けいれんと共に、まもなく心停止・呼吸停止となってしまいました。
現場は騒然となり、救急車を呼ぶ人もいれば、現場に駆けつけた看護師2名が懸命に心臓マッサージや人工呼吸を行いました。また、AED除細動器が用意され、看護師2名が普段の練習の通り、AEDによる除細動を行いました。幸い、すぐに奏功し、奇跡的に一命を取り留めました。その後救急車でメディカルセンター病院に搬送され、精査により、ブルガター症候群による突然心停止であったことが判明しました。

<症例2>蜂刺傷によるアナフィラキシーの1例
私の友人におこった出来事ですが、先日、農林関係の作業をしていた所、蜂に1ヶ所刺されてしまいました。その後数分もたたないうちに、気分不快、呼吸苦を訴え、意識がもうろうとなってしまいました。たまたま作業していた所が病院から近かったため、同僚がその場で決断をし、すぐに乗用車で救急外来に搬送しました。救急外来到着時、すでにショック状態に陥っていましたが、救急担当医の懸命な治療により、友人は九死に一生を得ました。
先日、友人が蜂刺傷事故のための自己注射薬エピペンの処方を希望し、当院に来院した際に判明したことですが、今回の蜂刺傷は2回目で、1回目はなんと46年前の16歳の時だったそうです。

<考案>
この2名の患者さんが助かった最大の理由は、やはり現場にいた方々の適切な判断および、迅速な蘇生技術によるものだと思います。日本の救急車が現場に到着する時間は、平均して、連絡を受けてから8〜10分程度だそうです。心停止が発生した場合、蘇生せずにそのまま放置してしまうと、1分間につき救命率が10%低下すると言われています。即ち、10分間そのまま放置してしまいますと、ほとんど救命することはできないと考えられます。症例1の同事業所における、普段の健康安全訓練やAEDの点検に多くの力を注いでいる点を大いに称賛致します。
一方症例2では、たまたま現場が病院に近かったため、同僚の判断で直接病院に搬送したことが正しかったかもしれません。日本国内では、毎年60名前後の方がアナフィラキシーにより亡くなっており、その原因としては医薬品と蜂刺傷が多いと言われています。本症例の様に、46年ぶりに蜂に刺されても重症化してしまったことを考えますと、蜂刺傷高危険群の方には自己注射可能なエピペンの携帯をおすすめ致します。

最後になりますがAEDがかなり普及している現在、果たして、皆さんがいざという時に落ち着いてAEDを操作することができるのでしょうか。講習会さえ受ければ、大半の方が操作できるようになると私は信じております。皆さん、機会がありましたら、ぜひAEDや蘇生の講習会にご参加ください。

(平成26年11月20日)

  女性に多い病気「骨粗鬆症」 (その1)
皆さんは、骨粗鬆症とはどのような病気かご存知ですか?名前だけは知っているという方が多いのではないでしょうか。
骨粗鬆症は、骨密度の低下により、骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなる病気です。その結果、わずかな衝撃でも骨折をしやすくなります。自覚症状の乏しい病気であり、なかなか病気であると気が付きません。したがって、腰や背中に痛みが生じ、医師の診察を受けて病気がみつかった時には、病状が進行していたということは少なくありません。加齢や閉経に伴って引き起こされることが多く、高年齢の男性にもみられますが、閉経による女性ホルモンの分泌低下が骨密度を低下させるため、特に女性に多くみられ、患者の8割が女性といわれています。また、若い人でも栄養や運動不足、ステロイド剤などの影響でなることもあります。

骨粗鬆症は、がんや脳卒中、心筋梗塞のように生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗鬆症による骨折から、寝たきり状態になる人は少なくありません。実は放っておくと、毎日の生活に大きな影響を及ぼすこともある病気なのです。骨粗鬆症は、長年の生活習慣が要因となっているため、日頃から予防を心がけることが大切です。予防することが、ほとんどの生活習慣病を予防することにつながりますので、早くから予防や治療に取り組んで頂ければと思います。

ではまず、どのような検査をするのでしょうか?検査方法、診断基準、治療についてご説明致します。

< 検査方法 >
 骨密度の検査方法は以下の3つの方法が一般的です。いずれも痛みがなく、簡単に行えるものです。

●DXA(デキサ)法
2種類のエックス線を当てる測定法です。全身のほとんどの部位で測定が可能で、正確かつ迅速に測定することができます。骨粗鬆症の診断には大腿骨頸部が良いとされています。

●超音波法
超音波を使った測定法です。骨密度測定法では、かかとや脛に超音波を流して測定します。かかとの骨というのは、骨密度が最初に落ちやすいことから、初期段階での骨密度測定には適しています。

●MD法
MD法は、両手の骨と厚さの異なるアルミニウム板をエックス線で同時に撮影します。その後、そのエックス線写真をコンピューターで解析します。骨の濃淡から骨密度を測定します。

< 診断基準 >
骨粗鬆症の診断基準は、若年成人(20〜44歳)の骨量の平均値(YAM値)との比較によって行います。骨量が平均値の80%以上が正常、70〜80%であれば骨量減少、70%未満が骨粗鬆症と診断されます。骨量が平均値の80%未満の人は注意が必要です。

< 治療について >
初期の骨量減少なら、食事や運動などの生活習慣を改善することで、骨量が増えてきます。病気が進むと、食事療法と運動療法に加え、薬物療法を始めます。 骨粗鬆症治療の目的は、骨折を予防し、この先長く、日常生活を快適に過ごすことができるようにすることです。 最近では、骨粗鬆症による骨折が早期治療により、予防できるようになってきています。
骨粗鬆症の治療は、一時的に症状が良くなっても、病気が治ったわけではありません。治療をやめると、また悪くなることがあります。決して自己判断で治療を中止せず、医師の指示にしたがって、根気よく続けましょう。

(平成27年1月20日)

  女性に多い病気「骨粗鬆症」 (その2)
(その1)では、検査方法、診断基準、治療についてご説明致しました。
(その2)では、予防のための食事・運動についてご説明致します。

< 食事について >
骨粗鬆症を予防するためにも、治していくためにも、カルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食品をとることが大切です。
カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚、緑黄野菜、海草などに多く含まれています。骨粗鬆症を含めた生活習慣病は、長年の食生活のかたよりが大きな原因となりますから、毎日の食事をバランスよくとることがすべての病気を予防する基本であることに変わりはありません。
しかし栄養に注意している人でも、カルシウムの摂取だけがどうしても不足してしまうのが現状です。厚生労働省の栄養調査によりますと、現在の日本人は、糖質、脂質、タンパク質、ビタミン・ミネラルのすべての栄養素を十分とっていますが、唯一カルシウムだけは所要量に達していません。たんぱく質もビタミンCもとりすぎるくらいとっているのです。
そこで、さまざまな種類の食品をバランスよく、しっかり食べることを基本にして、その上で意識してカルシウムをとることが望まれます。最低限、毎日の食卓にあと200mgのカルシウム、目安として牛乳(200ml)1本分、豆腐なら半丁を加えてください。

< 運動について >
若いころ運動をしなかった人や、長い間病気で寝込みがちだった人は、体格が華奢になり、骨が弱く、骨折しやすいことが知られています。骨を丈夫にするためにはカルシウムをとることが必要ですが、それと同じくらい運動が大切になります。運動によって体の筋肉が鍛えられ、身のこなしがよくなると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。骨を強くするための運動は、特別なことをしなくても、エレベータやエスカレーターを使わずに階段の上り下りをする、適度に太陽光を浴びながら散歩を楽しむといったことでも十分に効果があります。
適度に紫外線に浴びると、体内にビタミンDが生成され、カルシウムの吸収が促進されるのです。他にも家事で毎日こまごまと動くことでも骨を強くできます。
大切なことは、毎日楽しみながら長く続けることです。決して無理をせず、出来ることから始めてみましょう。

今後、ますます高齢化が進むことが予測されており、それに伴い、骨粗鬆症の患者数も増加していくと考えられます。生涯を健康で充実した状態で過ごすためには、血圧やコレステロール値などを気にするように、骨密度も気にかけて頂きたいものです。そのためにも、骨粗鬆症とは何かを知って予防をし、なったとしても骨折しないために適切な治療を受け、骨に良い食事や運動を心がけていきましょう。
当院でも骨密度の検査や骨粗鬆症の診療をしておりますので、気軽に医師とご相談下さい。


(平成27年1月20日)

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