宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  溶連菌感染症について
空気が乾燥し、気温が低くなるこれからの季節。
冬季に流行するのはインフルエンザだけではありません。喉の痛みを伴う「溶連菌感染症」についても知識を深めておきましょう。

1.溶連菌感染症とは
A群β溶血性連鎖球菌による感染症です。喉に感染して咽頭炎や扁桃炎を引き起こします。
風邪に似た症状ですが、治療には抗生物質の服用が必要になります。
小学生から中学生にかけてよくみられる病気ですが、大人も感染します。
学校などの集団感染や、家庭内での家族感染も多くみられます。

2.主な症状
流行時期は冬季・春から初夏にかけてです。
主な感染経路は、感染している人の咳・くしゃみなどによる飛沫感染です。
潜伏期間は2〜3日で、突然に発熱し、熱は38〜39度の高熱になり、喉の痛みや扁桃炎を起こします。
その後に赤い発疹が首、胸、手足などに出始め、全身に広がることもあります。
また、溶連菌感染症の特徴的な症状として、舌にイチゴのような赤いプツプツができる「イチゴ舌」と呼ばれる症状が現れてきます。

3.治療方法
抗生物質を10日間内服します。
抗生物質は医師の指示どおりきちんと飲みきることが大切です。
当院ではまず、半分の日数分処方します。その後、薬がなくなる前にもう1度来院診察し、残りの日数分処方します。抗生物質が効いていることを確かめるため2度に分けて処方しています。
また、発病してから3週間後に尿検査をし、尿に異常がないことを確認します。

4.合併症について
合併症としては中耳炎、気管支炎、リンパ節炎などがあります。
また、近年では減少傾向にありますが急性腎炎を起こすこともあります。
全身の関節が痛みを伴った炎症を起こしたり、心内膜炎を発症することもある、リウマチ熱も主な合併症のひとつです。

5.家庭の中で気をつけること
(1)食事について
のどに刺激の強い、熱い・辛い・すっぱいものは避けましょう。
食べ物は、のどごしがよいゼリーやヨーグルト、消化の良いおかゆやうどんにしましょう。
食べるのがつらい場合は水分だけでもしっかりしましょう。(ただし、炭酸は刺激が強いため×)
(2)入浴について
熱が下がっていれば、入浴しても問題ありません。
発疹が出ている場合、お湯を熱くするとかゆみが強くなりますので、温めすぎないようにしましょう。
※家族に感染者がいる場合には多く接触することは避け、手洗いうがいを徹底し、マスクの着用をしましょう。

6.登園・登校について
抗生物質が効いて(2日後)熱が下がり、症状が落ち着けば、登園・登校は可能です。

(平成27年11月25日)

  長引く咳の原因は?咳喘息について
みなさんは「喘息」と聞くとどのような症状をイメージしますか?
咳が続き、ヒューヒューゼーゼーと苦しそうな呼吸をしている様子が思い浮かぶのではないでしょうか?
実はそれは「気管支喘息」といわれるもので、「咳喘息」の症状とは違います。
“呼吸は苦しくないけれど咳だけが長引いている”そんな症状がある場合、もしかしたらそれは「咳喘息」かもしれません。

咳喘息とは、気管支喘息になる一歩手前の状態と考えられています。

□風邪のあとに咳だけがいつまでも残り、風邪薬や咳止めを飲んでも効かない
□8週間以上慢性的な空咳が続いている
□気管支喘息のような喘鳴(ヒューヒューゼーゼー)や呼吸困難を伴わない
□気管支喘息にも使用する気管支拡張薬の吸入で楽になる
□咳は夜間から明け方に出ることが多い
□冷たい空気やタバコの煙などの刺激、会話中や運動中に咳き込みやすい
□胸部レントゲン検査で異常がない
□アレルギーがある

上記の条件が当てはまる場合、咳喘息が最も疑われます。
咳は痰を伴わない空咳のことが多く、軽い咳から始まって次第に悪化する人もいれば、突然のひどい咳にみまわれる人もいます。
咳喘息の患者さんの約3割が将来気管支喘息になるといわれており、早期に治療することが大切です。

咳喘息の治療についてですが、気管支喘息と同じように気道が過敏な状態が続いているため、風邪薬や抗生物質、咳止めの薬はほとんど効果がありません。咳喘息の治療には、
○気管支拡張薬(気管支を拡張させて空気の通り道を広げる薬)
○気道の炎症を抑えるための吸入・経口のステロイド薬
を使用します。特に、吸入ステロイド薬の使用は“咳症状の治療”とともに“気管支喘息への移行を予防”する効果が期待できます。

また、予防として日常生活では、
・風邪やインフルエンザに注意をし、気道に炎症を起こさせない
・気管支に刺激を与えないためにも、禁煙をする(周りに喫煙者がいる場合は分煙・禁煙をお願いする)
・掃除をし、アレルギーを引き起こす原因となるハウスダスト・カビ・花粉などを排除する
・咳喘息の発作を引き起こす急激な気温の変化に注意する
ようにしましょう。

気管支喘息や咳喘息以外にも、咳の続く原因として、咳喘息と症状がよく似ているアトピー咳嗽(がいそう)、胃食道逆流、副鼻腔気管支症候群、COPDなど色々あります。
それぞれ治療に使用する薬剤は異なりますので、医療機関を受診し、適切な治療をうけましょう。

(平成28年1月19日)

  「つくタク」乗降場所設置のお知らせ
皆さんにお知らせがあります。
この度、患者様のご希望により、宮川医院の前に「つくタク」の乗降場所が設置されることになりました。3月28日(月)よりご利用いただけます。
これまでつくタクをご利用されていた方には非常に便利になり、また、今までつくタクを利用されたことのない方にも利用していただきやすくなりました。
病院の目の前まで送迎していただけるため、雨や強風など天候が悪い日でも安心してご来院いただけます。また、車の運転をされない方は、ご家族が留守の日でも、ご自身の都合に合わせてつくタクを利用して来院していただくことが可能になります。
料金も一般のタクシーより、非常にリーズナブルです。
詳細について、また、利用をご検討・ご希望の方は、受付までお気軽にお問合せください。



「つくタク」とは
ご希望の時間帯を予約し、自宅近くから目的地近くの乗降場所までご利用できる乗合タクシーです。
利用時間は平日9時台から16時台です。
予約は利用希望日の7日前(5営業日前)から当日利用希望時間帯30分前(9時台の予約は前日17時まで)です。当日の予約も可能ですので、診察後の帰宅時にもご利用いただけます。
利用できる場所は以下の通りです。
・市内の5地区(筑波、大穂・豊里、桜、谷田部、茎崎)の各地区内
・各地区〜共通ポイント(つくばセンター、研究学園駅、市役所、イーアスつくば、クレオ前、筑波大学病院前、筑波メディカルセンター病院前)
オレンジ色のつくタクの標識のある乗降場所での乗り降りとなりますが、登録をすればご自宅前から利用することも可能です。
料金は同一地区内であれば1人300円でご利用いただけます。各地区〜共通ポイントまでは300円または1,300円となります。現金でのお支払いはできませんので、事前に利用券を購入しておきましょう。当院でも利用券を購入することができます。また、割引制度があり、65歳以上のつくば市にお住いの方(事前に申請が必要)、障害をお持ちの方、小学生以下のお子さんは運賃の半額でご利用いただけます。

(平成28年3月24日)

  逆流性食道炎についてご存知ですか?
近年、食事の欧米化が進み、肥満の方が増え、それに伴い逆流性食道炎の患者さんが増加しています。
逆流性食道炎とは、食道が炎症を起こし、びらん(粘膜がただれること)や潰瘍(粘膜の一部がなくなること)ができてしまう病気です。

<逆流性食道炎の原因は?>
○脂肪の多い食事、食べすぎ……食道の筋肉がゆるんでしまう
○タンパク質の多い食事……消化に時間がかかり、胃液の逆流が起きやすい
○加齢……食道の筋肉の働き・ぜんどう運動が悪くなってしまう、唾液の量が少なくなる
○背中がまがった人……おなかが圧迫され、胃に圧がかかってしまう
○肥満……食道裂孔ヘルニアになりやすい、おなかに圧がかかりやすい
これらにより、食道を逆流から守る仕組みが弱まったり、胃酸が増えすぎてしまい、逆流性食道炎を引き起こします。

<どんな症状が出るの?>
○胸やけ……じりじり、いがいが、胸が熱い・重い
○どん酸……すっぱい液が口まで上がってきてゲップが出る
○咳・喘息……逆流した胃液が、のどや気管支を刺激し、しつこい咳が出る
○のどの違和感・声がれ……逆流した胃液でのどに炎症が起き、違和感や痛みを生じる

<どんな治療をするの?>
逆流性食道炎の治療でまず大切なのは、逆流性食道炎を起こさせないよう生活習慣を改善していくことです。
○食事に気をつける
胸やけを起こしやすい、あぶらっこいもの、刺激のあるもの、甘いものはなるべく避けましょう。
また、アルコール・タバコもできるだけ控えましょう。
○おなかを圧迫しないようにする
食後すぐに横にならない、おなかを締めつけない、肥満・便秘にならないようにしましょう。
眠るときは上半身を少し起こすようにしましょう。

逆流性食道炎は、生活習慣の改善だけでは完全に治すことは難しいです。そのため、胃酸の分泌を抑える薬も併せて服用します。
症状がなくなってもびらんや潰瘍はすぐには良くならないため、しばらくはお薬の服用を続ける必要があります。
また、服薬をやめると症状が再び出てきてしまう方には、薬を長期間のんでいただく場合もあります。

逆流性食道炎を治療することは、食道の粘膜が胃の粘膜に変性するバレット食道や食道がんなどの合併症の予防にもつながると考えられています。
症状がなくなったからといって自分の判断で治療を中止しないで、医師の指示を守って治療していきましょう。

(平成28年5月26日)

  潰瘍性大腸炎についてご存知ですか
皆さんは潰瘍性大腸炎という疾患を耳にしたことはありますか。
以前はとてもめずらしい病気で患者さんの数もごくわすかでした。しかし、その患者数は年々増加し、平成26年には18万人を超えています。
潰瘍性大腸炎とは、何らかの原因により大腸の粘膜に炎症が起こり、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。

≪主な症状≫
○下痢(軟便や排便回数の増加)
○粘血便(血液、粘液、膿の混じった軟便)
○腹痛・発熱・体重減少・貧血(重症化した場合)
などです。
病状は、おさまったり悪化したりを繰り返すことが多く、長期にわたってこの病気とつきあっていく必要があります。

≪発症の原因≫
この病気の原因は明らかになっていません。最近の有力な説としては、外敵から身を守る免疫機能に異常が起こり、自分自身の大腸の粘膜をも敵とみなし、攻撃して傷つけようとしてしまう事により、炎症が起きるとされています。
ただ、この免疫説も決定的なものではなく、炎症が起こる仕組みとしては有力な説ですが、なぜ免疫機能の異常が起こるのか、潰瘍性大腸炎の発症のメカニズムは解明されていません。

発症年齢のピークは男性で20〜24歳、女性では25〜29歳ですが、若年者から高齢者まで発症します。男女比は1:1で性別に差はありません。

≪治療について≫
原則的には薬による治療が行われますが、重症の場合や薬が効かない場合には手術が必要になります。
薬による治療には
○下痢や粘血便などの症状の悪化を緩和するための治療
○炎症が落ち着いている状態を長く維持するための治療
に分けられます。
また、血液中から異常に活性化した白血球を取り除くという治療法もあります。

潰瘍性大腸炎は、治療により多くの患者さんは症状の改善や消失がみられますが、再発する場合も多く、症状の消失した状態を維持するために継続的な内科治療が必要になります。また、発病して7〜8年経過すると、大腸がんを合併する患者さんが出てきますので、症状がなくても定期的な内視鏡検査が必要になります。

(平成28年8月25日)

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