宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  がんから命を守る内視鏡検査(その1)
皆さんご存知かと思いますが、日本人の死因上位を占めるのは「がん」です。中でも胃がんや大腸がんから命を守るためには、定期的に内視鏡検査を受けて、体の中に異常がないかを確認し、早期の段階で病変を発見し、治療を開始することが大切です。
しかし中には、「がんは怖いけど、内視鏡検査も怖い」という方や、「特に気になる症状はないから」という理由で、内視鏡検査を受けない方もいるのではないでしょうか?しかし、早期には自覚症状がほとんどないような病気もありますので、定期的ながん検診が必要なのです。
今回は内視鏡検査について詳しくご説明いたします。

< 内視鏡検査とはどんな検査? >
内視鏡を挿入して、モニターで胃や腸を直接観察する検査です。口や鼻からカメラを入れて検査する上部消化管内視鏡検査と、肛門からカメラを挿入する下部消化管内視鏡検査に分けられます。
上部消化管内視鏡とは一般的に胃カメラと呼ばれるもので、食道、胃、十二指腸を観察して、ポリープや腫瘍、炎症、潰瘍などがないかを診ていきます。一方、下部消化管内視鏡は大腸内視鏡と呼ばれているもので、直腸、結腸に至る大腸全体と、大腸と小腸のつなぎ目である回腸、肛門部などに病変がないかを調べます。

胃カメラ検査は、大腸内視鏡検査よりもどちらかと言えば身近な検査ですが、「つらい」「痛い」といったイメージが強く、どうしても敬遠されがちですよね。しかし最近では、苦痛の少ない経鼻内視鏡検査を実施している病院も増えてきました。
一般的な経口内視鏡では、舌根部にスコープが触れることで嘔吐反射が起こり、吐き気などの苦痛を伴いますが、鼻からカメラを入れる経鼻内視鏡であれば、比較的楽に検査を受けることができます。当院でも経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査のどちらかを選択することができますので、お気軽にご相談下さい。
また、検査に要する時間はおよそ5分から10分程度といったところです。前処置をしてからの検査となり、検査後は院内で少しの間休んで頂いた後に診察で結果を聞いて頂きますので、受付をしてから2時間程度で帰れます。当院の場合、胃カメラ検査につきましては、初診の方でも電話予約が可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

(その2)に続きます。

(平成27年2月16日)

  がんから命を守る内視鏡検査(その2)
(その2)では内視鏡検査で分かる病気と検査を受けるタイミングについて説明致します。

< 内視鏡検査で分かる病気 >
内視鏡検査では、悪性腫瘍を見落とさないことが最優先ですが、胃カメラ検査では胃がんや食道がん以外にも、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性胃炎、近年日本人に増えている逆流性食道炎などの病変を発見することができます。
大腸内視鏡検査では、大腸がんだけでなく、クローン病や潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患がみつかったり、痔の様態を確認することができます。
疾患によっては自覚症状がないまま進行するものや、自覚症状だけで診断するのが難しい病気もありますので、内視鏡検査で体の内部を観察して異常がないか調べることは、様々な病気から体を守る上で重要です。


< 内視鏡検査を受けるタイミング >
胃カメラでしたら、胃痛などの症状が続いている場合は、医療機関を受診して、検査を受けてみましょう。中には、とりあえず薬を飲んでみて様子をみるといった方もいらっしゃいますが、症状の原因はわからないままであり、薬を飲んでいても症状が良くならないという場合もあります。その時は、思いきって検査を受けてみることをお勧めします。また症状がない場合でも、ピロリ菌感染のある方、胃粘膜萎縮がある方は胃がんの発生リスクが高くなりますので、年に一回は内視鏡検査を受けましょう。
大腸では、便通異常や血便などの症状がみられたら、すぐに医療機関を受診し、医師にご相談されることをお勧めします。大腸がんは、早期に発見できれば、そのほとんどが内視鏡的に、または外科的に根治可能な病気です。早期大腸がんの5年生存率は、80%以上と極めてよく、進行がんでもがんの浸潤の程度とリンパ節転移の程度により予後が変わってきます。また、大腸がんは肝臓にもっとも転移しやすいのですが、肝臓転移が見つかっても、肝臓を手術したり抗がん薬を用いたりして長期に生存することも可能なのです。
遺伝的な影響もあるとも言われている大腸がん。ご家族で大腸がんになられた方がいる場合や、過去に治療を受けたことのある方、ポリープが見つかったことのある方は、定期的に検査を受けましょう。


会社の健康診断以外にも、市で行っている健診などでがん検診を受ける機会はあっても、まだまだ受診する方が少ないのが現状です。また、特に自覚症状はないが、がん検診には興味があるという方の中にも、内視鏡検査に苦手意識がある方もいらっしゃると思います。
しかしそういった方でも、胃ではABC検診(胃がんリスク検診ともいわれ血液検査を行う)、大腸では便潜血検査(検便で血が混ざってないか調べる)など、簡単にできるがん検診もあります。もし、それで陽性(がんの疑いあり)の結果が出た場合に、精密検査を受けることを考えてもいいのです。
当院でも、特定健診やがん検診、もちろん胃カメラ検査や大腸内視鏡検査も受けられますので、お気軽にお問い合わせください。
40歳を過ぎて高齢になるほど、がんにかかる率は高まります。ぜひ、年に一度は健康診断やがん検診を受け、ご自身の健康状態を確認しましょう。

(平成27年2月16日)

  生活習慣病のひとつ、脂質異常症を知ろう
<脂質異常症とは>
脂質異常症とは、血液中の脂質、具体的にはコレステロールや中性脂肪が多過ぎる病気のことです。
脂質異常症には、
(1) LDLコレスレロールが多いタイプ(高LDLコレステロール血症)
(2) HDLコレステロールが低いタイプ(低HDLコレステロール血症)
(3) トリグリセライド(中性脂肪)が多いタイプ(高トリグリセライド血症)
の3つのタイプがあります。

<脂質異常症は動脈硬化の大きな危険因子>
狭心症や心筋梗塞などを含めた心臓病と、脳出血や脳梗塞などの脳卒中が、常に日本人の死因の上位を占めていることをご存知でしょうか。これらはどちらも、動脈硬化が原因となって起こる血管の病気です。
動脈硬化というのは、心臓からからだの各部分へ血液を運ぶ動脈が硬くなることです。動脈の内側の壁にコレステロールがたまって血管が盛りあがって狭くなり、それとともに血管が硬くもろくなってしまい、血液が流れにくくなったり、血管に血栓(血管の成分や血管壁がはがれたものなど)がつまりやすくなることが問題なのです。

<脂質異常症を防ぐために、まずは食事のコントロールを>
脂質異常症は、遺伝子異常や他の病気に伴って現れるものもありますが、過食、高脂肪食、運動不足などの悪い生活習慣や、それによる肥満が原因で発生します。つまり、食事にからんだ要因がいちばん多いのです。脂質異常症を防ぐにはまず、食事に心を配って食生活を適正に保つことが重要になります。
 脂質異常症を防ぐための食生活では、次の6項目が重要です。
(1) 偏らず「栄養バランスのよい食事」を。
(2) 摂取総エネルギー量を抑えて、適正な体重を保つ。
(3)飽和脂肪酸(おもに獣肉類の脂肪)1に対して不飽和脂肪酸(おもに植物性脂肪や魚の脂)を1.5〜2の割合でとる。
(4)ビタミンやミネラル、食物繊維もしっかりとる。
(5)高コレステロールの人は、コレステロールを多く含む食品を控える。
(6)中性脂肪が高い人は、砂糖や果物などの糖質と、お酒を減らす。
食品中のコレステロールというと、コレステロールを多く含む食品ばかりを気にしがちですが、体内のコレステロールを増やしやすい食品もあるので、それを避けることはもっと大切です。
血中のコレステロールを増やす食品には、脂肪の多い肉、バターやチーズなどの乳脂肪分とその加工品、チョコレート、ポテトチップス、即席麺などがあります。逆に体内のコレステロール値を下げる働きをする食品には大豆製品や青魚、野菜、海藻類、果物、オリーブ油や菜種油などの植物油があります。コレステロールを上げる食品は少量でも体内のコレステロールを増やしやすいので注意が必要ですし、下げる食品は積極的にとることをおすすめしますが、果物や油はとりすぎに注意してください。また、ポテトチップスは食品としては全くコレステロールを含んでおらず、チョコレートや即席麺に含まれるコレステロールもわずかですが、体内でコレステロールを増やす働きがあります。すでに高コレステロールといわれている人は、マヨネーズ、魚卵、レバー、イカやタコなどのコレステロールを多く含む食品も控えめにとるようにしましょう。

脂質異常症は、家族性コレステロール血症以外、初期には自覚症状がまったくありません。けれど、ほかの生活習慣病もそうであるように、早く見つけて早く対処することがとても重要です。
当院でも、採血にて検査をすることができますので、気になる方は医師にご相談ください。

(平成27年3月20日)

  AEDとは何でしょう?
AEDとは自動体外式除細動器のことをいいます。救急の現場で一般の人でも、簡単に安心して除細動(電気ショック)が行うことができるよう設計されています。
小型の器械で、体外(裸の胸の上)に貼った電極のついたパッドから自動的に心臓の状態を判断します。もし心室細動という不整脈(心臓が細かくブルブルふるえていて、血液を全身に送ることができない状態)を起こしていれば、強い電流を一瞬流して心臓にショックを与えること、いわゆる電気ショック行い、心臓の状態を正常に戻す機能を持っています。
器械の電源を入れれば音声が使い方を順に指示してくれるので、誰でもこの器械を使って救命することができます。
AEDは、駅や市役所、ショッピングモールなどの公共施設や学校などに設置されています。

心室細動を起こすと、1分経過するごとに約10%、助かる確率が減っていくといわれています。救急車が現場に到着するまでの時間はおよそ8分かかるとされており、救急車を待っていたのでは助かる確率がかなり低くなります。119番に連絡するまでに数分かかったとすれば、さらに助かる可能性は低くなるのです。
しかし、AEDの登場で、人が倒れた場所の近くにこのAEDがあって、そこにいる人たちがすぐに操作をすれば、助かる可能性が高くなりました。

AEDは初めての人でも簡単に使えるように設計されています。
○手順1
電源を入れると音声の指示が始まります。種類によってはフタを開けると電源が入るものもあります。
○手順2
右胸の上部(鎖骨の下)と左胸の下部に電極パッドをはります。
※胸が汗などでぬれている場合は拭き取っておきます。シップ薬などもはがしておきます。
※ペースメーカーなど皮膚の下に何か埋め込まれている場合はそこを避けてはります。(皮膚の下に硬いこぶのようなものがあります。)
※就学前の子どもには、子ども用パッドか小児モードに切り替えます。ない場合は大人と同じパッドを使います。
○手順3
AEDが自動的に心電図を解析し、音声などで指示を出します。電気ショックが必要な場合は「電気ショックが必要です」と音声が流れ、充電が始まります。
充電が終わり、「ショックボタンを押してください」の音声や充電終了の連続音が流れ、ショックボタンが点滅します。
「離れて」とまわりの人に注意し、誰も触れていないことを確認し、ショックボタンを押します。
※AEDはまた心電図を解析して、2分ごとに電気ショックが必要か否か指示をしてくるので、それに従います。
※電気ショックが必要ない場合にはボタンを押しても電気が流れませんので、操作を間違って電気が流れるようなことはありません。
※AEDと併せて心臓マッサージ(胸骨圧迫)を行うことも重要です。

AEDは初めての人でも使うことができますが、人が倒れたときなどは、なかなか冷静に動けないものです。AEDの使い方だけでなく119番への通報や心臓マッサージ(胸骨圧迫)なども含め、消防署や講習会などで一度、救命救急の方法を経験してみませんか。

(平成27年8月25日)

  カンピロバクターによる食中毒について
「カンピロバクター」はサルモネラ菌やO157、ノロウイルスなどに比べて、あまり聞き慣れない食中毒の菌かもしれません。しかし、最近、増加傾向にある菌で、年間2000人から3000人もの患者が出ています。これは、ノロウイルスに次いで2番目に多い数字なので、決して侮れません。

1.カンピロバクターとは?
ニワトリ、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコなどの動物の消化管内に高率に住み着いている食中毒をおこす細菌です。
菌は乾燥に弱く、室温では長く生きることはできませんが、温度が低く湿潤していて、酸素にさらされないほど生存日数が長くなります。そのため、冷蔵庫内はカンピロバクターの生存に好ましい環境と考えられます。

2.感染経路
食中毒集団発生で原因食品が判明した事例では、肉類が最も多く、大半は鶏肉およびその内臓肉です。
牛レバーの生食による例も見られます。
その他に、ペットからや、乳幼児収容施設での流行、井戸水や湧水、簡易水道水などの消毒不十分な飲用水による感染事例もあります。

3.主な症状
潜伏期間は1〜7日(平均2〜3日)で、他の食中毒と比較して長いのが特徴です。
カンピロバクターに感染すると、比較的少ない菌数でも腸炎を発症します。
主な症状は下痢(水様便、まれに血便や粘液便)、腹痛、発熱です。この他、頭痛、悪寒、倦怠感、筋肉痛などが現れることもあり、初期症状は風邪と間違われることもあります。
2〜5日程度で回復しますが、まれに感染後にギラン・バレー症候群(急速に手足の筋力が低下し、腱反射の消失を主徴とする病気)などを起こすことがあります。

3.治療方法
軽い症状の場合では、抗菌薬治療をしなくても自然に軽快することも多くあります。
急性腹症、他の原因による食事療法などと見分けながら、食事療法、脱水の予防・治療などを行います。
整腸剤は投与しますが、腸の蠕動を抑えるような薬剤は使用しないのが原則です。

4.予防法のために
カンピロバクターは、低温に強く、低温環境下でより長時間生存することができます。
カンピロバクターの最大の弱点は「熱」です。
肉の色が変わるまできちんと加熱することで菌は死滅します。目安は、65度以上の熱で数分間(中心の温度が75度以上で1分間)しっかり火を通すことが大切です。特に菌が多いとされる鶏肉は注意が必要です。ささ身の湯通し程度では死滅しないと考えてください。
また、カンピロバクターはわずかな数であっても感染する恐れがあるので、二次感染にも注意しましょう。生肉と他の食品を扱う調理器具と区別すること、生肉を扱った後は手指を十分に洗浄することも重要です。
他にも、未殺菌の飲料水(野生動物の糞などで汚染される可能性のある井戸水など)を飲まないこと、小児ではイヌやネコなどの保菌動物への接触で感染することもあるので、便などに触らないなどの注意が必要です。

(平成27年9月25日)

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