宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  内視鏡的ポリープ切除により大腸癌罹患率は減少するのか?
みなさん、大腸がん検診は受けていますか?
現在、悪性腫瘍(がん)は、日本人の死因の第1位です。悪性腫瘍(がん)の部位別死亡数を見ると、女性は大腸癌が1位、男性は3位と上位に位置しています。
この20年で大腸癌による死亡数は約1.5倍に拡大しており、生活習慣の欧米化(高脂肪、低繊維食)が関与していると考えられています。
ライフスタイルの改善ですぐ腸内環境が良くなるわけではなく、効果が現れるまで長い時間を要します。そのため、ライフスタイルを改善すると共に癌検診を毎年受け、リスクを下げながら早期発見・早期治療を目指すことが重要です。

大腸癌検診は、まず問診と便潜血検査を行います。便潜血検査はいわゆる検便で、2回分の便を検査します。大腸癌やポリープがあると、便が腸内を移動する際に便と組織が擦れ血液が付着することがあります。便潜血検査では目に見えないわずかな出血を感知することも可能です。
便潜血検査が陽性の場合、精密検査として大腸内視鏡検査を行います。

大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を入れ、大腸に異常がないか観察を行います。検査では、ポリープが見つかることがあります。ポリープとは、大腸の表面の粘膜層の一部がイボのように隆起したものです。ポリープの中で注意する必要があるのは腫瘍性ポリープです。
腫瘍性ポリープには悪性腫瘍と良性腫瘍(腺腫)があります。腺腫は良性のポリープですが、悪性化しがんになる場合があります。そのため、腺腫のうちに取ってしまうことは大腸癌の予防となります。
最近発表された米国の研究でも、「腺腫性のポリープの内視鏡的摘除により、大腸癌罹患率は76~90%減少する」との報告がなされています。
一般的にポリープがあっても自覚症状はありません。
そのため、定期的にがん検診を行い、必要時には大腸内視鏡検査を行うことは重要と言えます。
ライフスタイルを見直すとともに、検診を受け、予防できる疾病は予防していきたいですね。


(2019年3月26日)

  ストレスによる腸の不調について
4月も半ばを過ぎ、ようやく暖かな季節が訪れました。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?

新たな年度を迎え、新しい環境での生活をスタートされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
新しい環境での生活では少なからずストレスを感じることがあると思います。
このストレスが原因となり、腸に異常をきたす病気があることをご存知ですか?
その病気は、過敏性腸症候群(IBS)と言います。
過敏性腸症候群は、腸に炎症やポリープがないのに数ヶ月以上、腹痛を伴う下痢あるいは便秘が起こり、排便すると腹痛が一旦軽くなることが特徴的です。
症状により大きく下痢型(1日に3回以上トイレに行く、慢性的な下痢)、便秘型(排便が週3回以下で便が出てもウサギの糞状のころころとした便で、残便感が残る慢性的な便秘)、交互型(下痢と便秘を交互に繰り返す)の3つに分けられます。
ストレスを感じやすい、また強い緊張を受けやすい通勤通学中や、仕事中、授業中に症状が出やすく、眠っている時や休日には症状は出にくいことが特徴的です。
過敏性腸症候群になる原因ははっきりとは解明されていませんが、ストレスが大きく関係しているとされており、ストレスによる不安が、腸の収縮運動を強くし、痛みを感じやすい知覚過敏の状態にすると考えられています。
治療については、薬物による治療もありますが、根本的な生活習慣の改善が大切です。
睡眠をしっかり取ること、バランスの良い食事を1日3回食べること、適度な運動をすること、そして大切なのは、心を休めるための時間を作ることです。
何らかの趣味を持ち気分転換するのもいいですし、誰かとおしゃべりしたり、運動で汗を流したり、ただただゆっくり眠ることでも何でもいいです。
自分の心や身体の状態を理解し、適度に休息をとりながらこの1年を過ごしていきたいですね。


(2019年4月22日)

  肺年齢をしらべてみませんか?〜スパイロ検査〜
・肺年齢とは
一秒間に吐ける息の量から、標準の方に比べて自分の呼吸機能がどの程度であるか、
年相応かどうか確認する目安です。見た目では、分からない肺の健康を知るヒント、手がかりとなります。
また、この肺年齢を知ることで肺の健康意識を高め、健康維持や禁煙、呼吸器疾患の早期発見・治療に役立てることができます。

・スパイロ検査とは
苦痛を伴わずにできる簡単な検査です。最大限に吸い込み、肺から吐き出せる空気の量を測定します。こちらの検査をする事により肺年齢を調べることができます。

・スパイロ検査はどんな方が受けるべきなのか
□中高年の方
□タバコの喫煙歴がある。または、職業上の理由などで日常的に煙・粉塵・ガスを吸っていた方
□咳がなかなか治らず続いている。
□痰が毎日のように出る。
□階段を上ったりする際息切れがする。 
一つでも当てはまる方は検査を受けてみてはいかがでしょうか?


(2019年7月30日)

  健康寿命を延ばすために
まず、平均寿命と健康寿命の違いについて知っておきましょう。

平均寿命とは?
ある集団に生まれた人間が平均して何年生きられるかの期待値のことをいいます。
健康寿命とは?
日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間の事です。
じつは、平均寿命と元気に過ごすことのできる健康寿命の間には約10年の差があるのです。なので、健康寿命を寿命までどれだけ近づけられるかが鍵となってきます。

そこで、健康寿命を延ばすために大事になってくるのがフレイル予防です。
まずフレイルって何?
フレイルとは虚弱を意味し、年をとり筋力や認知機能、社会とのつながりなどが低下した状態の事をいいます。健常から要介護へ移行する中間の段階で、多くの高齢者はこのフレイルを経て要介護状態へ進むと想定されています。
フレイル予防は何をすればいいの?
1:栄養(食・口腔機能)
バランスの良い食事、よく噛むことも重要です。低栄養は、フレイルを起こす最大の要因となってきます。
2:運動
筋力の低下を防ぐことで、転倒・骨折で寝たきりになるリスクも軽減されます。
3:社会参加(趣味・ボランティアなど)
社会参加の機会が低下するとフレイルの最初の入り口になりやすいことがわかってきました。地域のボランティア活動に参加したり、趣味など自分に合った活動を見つけてみましょう。
どれか1つだけすればいいというものではありません。うまくリンクさせ自分の生活サイクルに組み入れていくことが大切です。
皆さんも、この3つのポイントを心掛けてフレイル予防を行い、健康寿命を延ばしていきましょう。


(2019年10月21日)

  肺気腫・COPDとは?
肺気腫やCOPDという言葉を皆さんご存知でしょうか?
もともと肺気腫として知られていますが、現在は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼びます。この病気は、煙草の喫煙によって起こり喫煙量が多い人ほど発症しやすい病気ですが、実際に煙草を吸っていなくても周りの人が吸っている煙(副流煙)を吸ってしまっても肺が傷つき発症します。肺気腫(COPD)は、何年もかけてゆっくり進行しけっして急激に起こるものではありません。煙草によって肺や気管支が傷ついたことにより息を吐く途中でふさがり上手く息を吐ききれなくなって呼吸機能が落ちてしまいます。その為、息切れの症状がでます。その他の症状は、頻度は高くはありませんが咳や痰などの症状もでます。中には、症状が出ない方もいます。症状が悪化すると酸素が取り込みにくくなるため酸素吸入が必要になり在宅酸素療法が必要になる方もいます。
COPDの治療は、根治治療ではなく姑息的治療になり悪化を防ぎ症状を改善します。
煙草を吸っている人は、ふと我に返ってみると咳や痰が日常茶飯事なことが多いのではないでしょうか?実はすでにCOPDになっている可能性もあります。一番の予防治療は、禁煙です。
見た目では判らない肺の健康を知るヒント「肺年齢」を一度測定してみてはいかがでしょうか。


(2020年2月3日)

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