宮川内科・胃腸科医院
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Dr宮川の注目コーナー

  不整脈とは
不整脈を感じた方や気づかずに検診などで指摘されたことがあるという方がいるのではないでしょうか?

不整脈とは、脈が乱れることを言いますが、不規則な脈以外にも、脈が速くなる頻脈や逆に脈が遅くなる徐脈も含まれます。
心臓は筋肉でできた臓器で、その筋肉にかすかな電気が流れ動く仕組みになっています。正常な脈は1分間に60〜100回とされています。

不整脈の症状には、動悸・胸痛・胸部不快感・めまい・立ち眩み・失神・息切れ・だるさ・疲れなどがあります。
動悸は心臓の鼓動を異常な不快感として感じる症状で、心臓の脈が乱れた時や脈拍が増えたり心臓から血液が多く押し出されたときに感じることがあります。不整脈のために自覚することが多いですが、不整脈以外にも狭心症や心筋梗塞、心不全、心臓以外の病気には、貧血や低血糖、甲状腺、精神的緊張などもあります。
不整脈が起きた時に、胸痛や胸部不快感がある場合は、狭心症や心筋梗塞などが起きていないか検査をしていく必要があります。
頻脈や徐脈が強くなると十分な血液が脳に送られないことで、めまいや立ち眩みを起こし、程度が重くなると失神や痙攣を起こします。
検査は、不整脈の発作が起きている時に心電図をとると正確な診断ができますが、受診する患者様の多くは、症状のないこともあり既往歴や話を聞いた状態で考慮し検査を進めていきます。心電図・24時間心電図・運動負荷心電図・心臓超音波検査(心エコー)。
治療は、不整脈の種類や原因・症状・全身の状態により異なります。
1.生活習慣の改善
多くは生活習慣を改善することで予防できることがあります。禁煙・禁酒・カフェインの摂取を控える。睡眠不足やストレスの解消。
2.内服治療
薬物治療は、不整脈を止める薬や予防する薬・和らげる薬など。
3.内服以外の治療
電気的除細動・カテーテルアブレーション・高周波焼灼術・外科的手術・ペースメーカ

不整脈に気づかず検診などで指摘がありましたら、そのままにせず必ずかかりつけの病院で相談をして下さい。


(2024年4月18日)

  胆管結石症とは
総胆管は、肝臓と十二指腸をつないでいる管で、肝臓で産生された胆汁を十二指腸に流す役割をしています。そこにできるのが総胆管結石です。胆嚢結石(いわゆる胆石症)は無症状のこともありますが、胆管結石は有症状(急性胆管炎・胆石膵炎を発症)が高率であります。早期に治療をすれば、改善が期待できる疾患です。
1. 総胆管結石の症状
総胆管結石は、症状が全くない場合もありますが、結石が胆管にはまり込むと痛みが生じます。胆石発作(胆石が動いて胆嚢の出口にはまり込むことで起こる発作のこと)では、脂肪分の多い食事をとったあとなどに突然、上腹部(右の肋骨の下辺り)や心窩部(みぞおち)に周期的な痛みが起こったりします。血液検査でAST、ALT、γ-GTP(ガンマ-GTP)、ALP、ビリルビンの上昇が見られると総胆管結石が疑われます。急性胆管炎は、発熱、悪寒、黄疸を認めます。また、胆管の出口である十二指腸乳頭部に結石がはまり込むと急性膵炎を発症することもあります。
2. 総胆管結石の診断
主に胆管、胆嚢、肝臓、膵臓、腎臓、脾臓を観察することができます。体への負担が少ない検査ですので、総胆管結石を疑った場合はまずこの検査を行うことが一般的です。他の検査も併用して行うこともあります。
A 腹部CT検査
X線をあてて体の断面画像を得る検査です。体を数mm〜1cm区切りで輪切りにして、その切断面の画像で診断を行います。石灰化した総胆管結石であれば描出率は高いです。
B MRCP(MRIを用いて胆嚢・胆管・膵管を撮影する検査)
核磁気共鳴現象を利用した画像検査です。MRCPによる総胆管結石の描出率は有用性が高いですが、5mm以下の小結石は描出されない場合もあります。
C 超音波内視鏡検査(EUS)
先端に超音波装置のついた上部消化管内視鏡(胃カメラ)の検査です。胃や十二指腸から観察を行うことで、体外からの腹部超音波検査(エコー)よりもさらに詳しく観察を行うことができ、総胆管結石の有無をほぼ診断できます。検査時間は通常の上部消化管内視鏡(胃カメラ)検査よりも長くなりますが、外来でも行うことのできる検査です。
3. 総胆管結石の治療
総胆管結石の治療には、内科的な治療と外科的手術があります。病状や合併症の有無によって治療方法が変わりますので、担当医とよく相談して下さい。


(2024年5月17日)

  ロコモティブシンドローム@
「ロコモ」という言葉を聞いたことがありますか。
ロコモとは「ロコモティブシンドローム」の略称で、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気などにより、運動器の障害のために歩いたり立ち上がったりする移動機能が低下した状態を指します。
この状態を放置しておくと要支援、要介護や寝たきりになるリスクが高まるのです。要介護・要支援認定者は各区分で増加しています。
 要介護になる主な原因として「認知症」「脳血管疾患」そして「骨折・転倒」などがあります。骨折・転倒には実は運動器の障害が大きく関わっているのです、人が自由に体を動かせるのは、骨や筋肉、関節、脊髄、神経などの運動器のおかげなのですが、障害がおこると体をうまく動かせなくなります。そうなると筋力や柔軟性、バランス能力が低下し、転倒・骨折のリスクが高まります。骨折してしまうと身動きが取れなくなり、筋力が低下します。その悪循環で最終的に介護が必要になるというわけです。
 運動器の障害にはいくつか原因がありますが、主に次のことが挙げられます。
加齢・・・年を取ることで筋肉や骨の量が減少し、運動機能が低下。
生活習慣・・・運動不足による筋力の低下。
運動器疾患・・・変形性膝関節症や変形性腰椎症、骨粗しょう症などの病気。
肥満・・・太りすぎによる、膝や腰などの運動器への負担。
痩せすぎ・・・栄養不足による骨や筋力の低下。
  
 ロコモかどうかチェックしてみましょう。
一項目でもチェックが付くとロコモの可能性があります。
□ 片脚立ちで靴下が履けなくなった。
□ 家の中でつまずいたり、滑ったりする。
□ 階段を昇るのに手すりが必要。
□ 家のやや重い仕事が困難である。(掃除機の使用や、布団の上げおろしなど)
□ 2キロ程度の買い物をして持ち帰るのが困難である。
  (1リットルの牛乳2個程度)
□ 15分くらい続けて歩くことができない。
□ 横断歩道の青信号の間にわたり切れない。



(2024年6月17日)

  ロコモティブシンドロームA
骨量や筋力量のピークは20〜30歳代です。骨や筋肉は適度な運動で刺激を与え、適切な栄養をとることで健康が維持されます。

食事 
筋力を強化する食事・・・一日3回バランスが良い食事をする。
            (主食+主菜+副菜)
たんぱく質を多く含む食品(肉、魚・卵・牛乳・乳製品・大豆製品)過不足なくとる。
たんぱく質の分解や合成を促進するビタミンB6(カツオ、マグロ、赤ピーマン、キウイ、バナナなど)を一緒に食べる。
骨を強くする食事・・・カルシウムを多く含む食品(牛乳、乳製品、小魚、緑黄色野菜、海藻類など)を積極的に食べる。
カルシウムの吸収を高めるビタミンD(魚類、キノコ類、卵など)
骨の形成や骨の維持に必要なビタミンK(納豆、ニラ、ブロッコリーなど)を補うトレーニング
 片脚立ち・・・バランス能力や下半身の筋力を鍛えるためのトレーニングです。片脚立ちを行うと脚に二倍の重力がかかるため、筋肉が収縮します。それにより、脚の付け根にある骨が強くなり、バランス能力も向上するので、転倒を防ぎ骨折のリスクが減少します。
@転倒しないように手すりや机などすぐに捕まるところで行う
A姿勢を正して立ち、床に脚が付かない程度に片脚を上げます。
B脚を替えもう片方の脚で同じ動作を行います。
左右1セット一日3回を目標に
スクワット・・・下半身を筋力を鍛えるためのトレーニングです。
スクワットを続けることで立つ座るといった日常生活動作を安定して行えるようになります。
@肩幅よりやや広めに脚を広げ立ち、つま先を30度くらい開きます。
A両手を前に伸ばしバランスを取りつつ、お尻を後ろに引くようにして上半身をゆったりと沈めていきます。後ろに倒れたりしないようにやや前傾姿勢にすることがポイントです。また体を沈めるときに膝がつま先よりも前に出ないようにします。
B元の姿勢にゆっくりと戻していきます。
いつまでも歩き続けられる体をつくるために「ウォーキング」や「簡単な体操」「日常的な家事」など楽しみながら長く続けられる運動を習慣にすることが大切です。   


(2024年6月17日)

  熱中症について
毎年のことだけに、熱中症については多くの人がよく知っているように感じられますが熱中症について、また、その原因や予防、対処法についてご存知でしょうか。熱中症について正しい知識を身につけ、体調の変化に気をつけるとともに、周囲にも気を配り熱中症による健康被害を防いでいく事が大切です。

熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。屋外だけでなく室内で何もしてない時でも発症します。

〇熱中症を引き起こす3つの要因
・環境
高気温、高湿度、風がない、日差しが強い、閉め切った屋内、エアコンのない部屋、急に暑くなった日
・体
乳幼児や高齢者、肥満、持病(精神疾患や糖尿病など)、栄養不足、脱水
・行動
激しい運動、慣れない運動、長時間の屋外作業、水分摂取不足

これらの条件が組み合わさる事で体温調整機能が崩れ、どんどん身体に熱が溜まってしまい高体温となります。このような状態が熱中症で最悪の場合、命が危険にさらされます。

〇予防
・こまめな水分補給
喉が乾いてなくてもこまめな水分補給が大切です。「喉が渇いたな」と思った時点ですでに脱水症の危険性があります。
・汗をかいたら塩分補給
汗には塩分が含まれるので、大量の汗をかくときは併せて塩分の補給も行いましょう。
・体を上手く冷やす
首や脇、足の付け根など太い血管が体の表面近くを通っているところを冷やすと効率よく体を冷やすことができます。また、運動や活動前に冷たい水分をとっておくことで体の中から直接冷やせるため効率的に体温を下げ、熱中症予防にも有効です。
・直射日光を避ける
帽子や日傘を利用して直射日光を避けましょう。また、日陰を選んで歩いたり休憩できる場所を確認しておきましょう。
・外出時は事前に熱中症リスクの確認を
外出時や外での活動の際は、その日の天候や気温などを事前に確認して準備して出かけましょう。「暑さ指数」や「熱中症警戒アラート」などの利用もお勧めです。
・体調を整え、丈夫な体づくり
睡眠時間をしっかりと確保し、また食事もしっかりととって規則正しい生活で熱中症に負けない体づくりをしていきましょう。アルコール摂取は、脱水や二日酔いなどを起こし熱中症リスクを高めるのでほどほどにしましょう。
〇症状
・T度(軽度):めまい、失神、筋肉痛、筋肉の硬直、大量の汗
・U度(中度):頭痛、気分不快、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感
・V度(重度):意識障害、けいれん、手足の運動障害、高体温

〇対処法(応急処置)
・熱中症が疑われるような症状がみられた時には、まず意識があるかを確認してください。
意識がない場合は、すぐに救急車を呼んでください。救急車が到着するまでの間、涼しい場所に避難させて、服を緩めて体を冷やしましょう。
・意識がしっかりしている場合でも反応がおかしい場合は、すぐに救急車を呼んで下さい。
また、自力で水が飲めない場合は病院での点滴が必要ですので医療機関を受診して下さい。
・意識がしっかりしている場合は、涼しい場所に避難させ、服を緩めて体を冷やしましょう。自力で水が飲めるようであれば水分と塩分を補給して様子をみましょう。しばらく様子をみますが誰かが付き添い、症状に変化がないかどうか見守ることが重要です。症状が
改善されなければ、医療機関を受診して下さい。症状が改善された場合はそのまま安静にしてゆっくりと休みましょう。

体調がおかしいなと思ったら、いつでも当院へご相談下さい。


(2024年7月22日)

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